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南北戦争期におけるリンカ-ンと周囲の人々の奮闘ぶりを描く。戦争の早期終結と奴隷解放という2つの難題を背負って、彼らが権謀術数をめぐらし、いかに解決していくかが見どころ。手堅くまとめているが、大人版「世界偉人伝」の域を出ていない。先住民に対する過酷な仕打ちはあえてスルーしたか?今の時代にあってなおリンカーンの都合良い部分しか描かない感度の鈍さよ。
D・D=ルイスは人間味豊かな表現力で大統領の苦悩を演じ熱演だが、(撮影当時同じ位の年齢とはいえ)老成したリンカーンに比べちょっと若い印象。年輪を感じさせる演技のS・フィールドと並ぶシーンでは、若さが露呈し「役作り」感見え見えで見劣りする。アカデミー賞ってどうしてこうも「有名人なりきり芝居」に弱いのかね。俳優陣では、夫や子供に対する夫人の内面を滲ませたフィールドが一番いい。T・L・ジョーンズもいい演技だが、どうしても「BOSSのおじさん」を連想する。 リンカーンの最大の功績は南北戦争を終結に導き国の統一を保ったことだと思うが、議会の議決を無視して政策を遂行したり先住民に冷淡だったことも何かで読んだことがある。彼を描くのなら、奴隷解放一点集中でなく、同時期に行われた負の部分も語られるべきだろう。 奴隷貿易廃止を題材にした「アメイジング・グレイス」と比較すれば、作品の出来は向こうの方に軍配が上がる。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2016-04-17 13:25:36)
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