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元気の出ない時に必要な映画は、優れた映画でも面白い映画でもない。元気の出る映画だ。
例えばそう、バトルシップみたいな映画。もっと具体的に言うならバトルシップ。 この映画はひどいものだ。 まずリズムがガタガタだし、ストーリーのラインも同じくらいガタガタしている。 エイリアンの行動理念や背景なんかも恐らく二、三分しか考えられておらず、リアリティのない映画に最低限必要なリアリティすら欠けている。 そういえば登場人物だって二種類しか出てこない。人格に深みがほとんど無いか、全く無いかのどちらかだ。 そもそも、バトルシップゲームの名前だけ使うならともかく、あのルールまでストーリーにねじ込むというのがまともな選択じゃない。 それ以前に、今の子が全然知らない遊び(俺の歳ですら知っているのが奇跡だ)を映画にしようという企画が狂っている。 だが、それでもこの映画には価値がある。 たとえば仕事が上手くいかなくて気分が落ち込んでいる時。長く付き合っていた恋人と別れて虚しい時。不安な時、うんざりする時、ムカつく時。 そういう時、人間が求める映画は何か。 バトルシップだ。 違うかもしれないから念のためにもう一度言う。バトルシップだ。 人間は弱い。ふだん強くても、年に一度くらいは弱ってしまうタイミングがある。 そういう時に備えて、あらゆる人はこの「バトルシップ」のDVDかBlu-rayを本棚やラックに置いておくべきだ。 バトルシップゲームのルールを知らなくても、戦艦や大砲に詳しくなくても、リアーナのアルバムを一枚も持っていなくても問題はない。 バトルシップを楽しむには、せいぜい片方ずつの目と耳があればいいのだ。脳に至っては無いほうが望ましい。 もちろん人の好みはそれぞれだから、もしかしたら「こんなもん買うんじゃなかった」と後悔する人もいるかもしれない。 でも大丈夫、そういう時こそバトルシップを見て元気を出す時だ。 【肛門亭そよ風】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-06-24 10:27:31)(良:1票) (笑:2票)
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