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《ネタバレ》 ソ連の血みどろの粛清を克明に描く「ストライキ」。
国の革命がもたらした何千何万という流血。 国の政策の犠牲になるのは、いつも下を支える民衆だ。 その一部始終がこの映画に詰まっている。 工場で重労働を課せられる労働者の苦しみ、その波は民衆に波及し、やがて工場は停止する。 我武者羅に働いてきた男たちは、いままでないがしろにしていた家庭の大切さを思い出す。 ある者は家で過ごし、ある者は演説をして民衆を刺激する。 それに手を焼く国の重役たち。 ストライキの鎮圧は軍隊に任せ、自分たちは高みの見物だ。 のんきに酒を酌み交わし、下の気持ちなんざほとんど省みない。 そこに酒を運ぶ召使い。 彼もまた民衆の一部だ。 苦々しい笑みで現状を嘲笑う。 そして人がいなくなれば、彼らは残ったご馳走を食べ尽くす。 ここまで人の上下の差を描いていく。 働き手がいなくなった工場を、一匹の猫が通り過ぎていく。 その生々しさが凄い。 動かなくなった工場はその働き手の首すら締めていく。 働かなくなり金が底をつき、家のシーツや古着を売り金に変える事にも限界が来る。 工場を動かさなければ、働き手も食い詰めるのだ。 政府はそれを待てば良いのだから。 労働者たちは、家族を食わせるために再び工場へと戻っていく。 だが、突然の不幸が襲う。 浮浪者たちがストライキに同調し、何と工場を焼いてしまったのだ。 何という皮肉。 ストライキの面々が反乱したのだと、軍隊は人々に銃を向ける。 男、女、老人、赤子まで、尽く殺していく。 後には大量の死体と血の川だけが残る・・・。 その強烈極まりない映像! 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-16 21:43:22)
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