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《ネタバレ》 俺が見たのは海外で販売されたVHS。画質は悪かったが、この映画の面白さを損なうものじゃなかった。
コイツは間違いなくドン・シーゲル初期の最高傑作だ。 圧倒的破壊の全力疾走で見せる見せる見せる、これぞギャング映画と言わんばかりの面白さ。 「ダーティハリー」や「ラスト・シューティスト」といった初っ端からブチかます作品群と比べると、この映画は最初ブッ放さない。 徐々に速度が加速していくタイプの撃ちまくり殺しまくり映画だ。 実在したレスター・ギリス(ベビー・フェイス・ネルソン)の伝記としては実際のネルソンとかなり違うが、アクション映画としてシーゲルのやりたい事が詰め込まれた素晴らしい出来となっている。 ミッキー・ルーニー演じるギリスの凄味! ビルの群れ、人の群れ、刑務所、ナレーションによるギリスことネルソンの紹介。刑務所を出ていく影、その直後に「Baby Face Nelson(殺し屋ネルソン)」の題名が出る。 迎えの車に乗り、目的地に着き、アジトの階段を上っていく。二人の会話が終わってからやっと人物クレジットが出る。 葉巻の煙を払うように「もう殺しはやらん」とサイレンサー付きの拳銃を返し一度は断るが、運命はギリスを再び殺し合いの中に引きずり込む。 刑務所から解放された喜びからか、浴びるように風呂ではしゃぐ。 久しぶりにあった女と熱いキスを何度も交わす。伝記の白熱球をひねって消し、情事に入ろうとする。その後にちゃんと電球を戻す律義さ。殺し屋としての血がうずく新聞記事。 ヒロインはバーバラ・スタンウィックやクローデット・コルベールに近いタイプのキャロリン・ジョーンズ。 点滅するネオン、バスルームに押し入られ、身に覚えのない拳銃という“罠”、ツバには腹パンで返答される! さあギリスの“ネルソン”としての復讐劇が加速するのはここからだ。 列車、女が転ぶのはかがんだ標的をネルソンがブチのめすため、銃を奪い、車で運んだ遺体を猛スピードで地面に叩き落とす! 階段に隠れ、ターゲットが上ってきた瞬間に瞬く間に3人を射殺し車で即逃げる。本も死体が音をたてて転がっていくようにバラバラ落ちる演出。 酒を取りに隙を見せ、背中を向けた男の首に銃をつきつける。ガラスを撃ち抜くが一歩遅く、彼等は夜街を駆け抜ける。 脚から胸にかけてのラインを見るエロ医者、何回女とブチュブチュやんだよギリスは(憤慨)。 大火傷を負い包帯で顔を覆った男が渡す新聞、闇夜のブランコで作戦会議。 オフィス襲撃時の緊張。 時計、アイスクリーム屋に化け、警備を潜り抜け、車内では息を潜めてトンプソンを構える。 煙、「STOP」のバーを脚でこじ開け、緊張の糸が弾けた瞬間にトンプソンは火を吹き、金を積んだ車を奪って乗り換え逃げ切る。 仕事仲間の墓穴つくりを、酒を飲みながら見るだけの医者。そりゃスコップも投げたくなりますよ。 日光浴中の彼女に布をかける不器用な愛情、脚に触るエロ医者への嫉妬、愛情の暴走も加速していく。 他の男とちょっと喋っただけでも怒鳴り散らす。防弾とはいえいきなりバカスカ撃つんだから怖い。「裏切ったらマジでブッ殺すぞ」という警告としての発砲。 酒屋の登場で油断した後に現れる“本物”、裏口からの脱出、森の中での銃撃戦、巻き込まれる一般住民。 郵便局員から銀行強盗への早変わり。銃をクリックして脅す。おっちゃん涙目。 女にうつつを抜かす者たちの破滅、新聞の写真に刻まれるマーク。 ネルソンの転落も加速していく。思わぬ情報の流出、指紋手術の失敗、触れない腕で怒りの殴殺と船でドンブラコ。 ラスト20分のフルスピード。 銀行襲撃までのシークエンス、裏をかいて仲間まで“裏切り”閉じ込め、客のいる室内に催涙弾をブチまける。 銃声に異常な反応を示すほど精神的にも追いつめられる。動物狩りを楽しむ子供たちを撃ちそうになる瞬間。 クライマックスのチェイス、警官のバリケードもブチ破り、バックミラー、“死に場所”への直行・・・近づくサイレン、もたれかかり「俺を殺してくれっ!!」の絶叫!凄いラストシーンだ。 【すかあふえいす】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2016-11-24 22:47:06)
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