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《ネタバレ》 フォードの西部劇の最高傑作が「リバティ・バランスを射った男」「捜索者」だとすれば、人間ドラマの最高は「怒りの葡萄」「静かなる男」とこの「わが谷は緑なりき」!
炭鉱の街に生きる人々の家族愛と絆を描いていく。 炭鉱作業の描写は終盤まで挿入されない。 それはススだらけになった男たちの顔が物語るし、主人公が成長する過程で挿入される。 そう、本作の視点は子供の主人公の眼だ。 大家族の末っ子として生まれた主人公。 炭鉱でたくましく働く兄弟たちへの憧れ、様々な出会いと別れを、幼い眼に焼き付けていく。 ストライキ、孤独と戦う父、一喝する母親の強さ、一人また一人去っていく兄姉弟たち・・・主人公も勉学に励み、知る人間のいない学校で戦った。 殴られたら殴り返す。 大人が手を出したら大人が倍返しだ! フォードの暖かい人間ドラマがここに詰まっている。 燃え盛る炭鉱に何のためらいもなく助けに向かう男たち。 「果てなき船路(果てなき航路)」でジョン・ウェインを助けに行く水夫たちに通じる熱い魂。 どんな逆境でも懸命に生きる男たちは、何時の時代もカッコイイ。 それを見守る母親、女性たち。 牧師も拳闘士も関係ない、みんな一人の人間だ。 ラストは悲しくもあり、温もりもある締めくくり。 家族の魂は主人公の心の中に生き続ける・・・そんな映画だ。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-01-21 23:57:55)(良:1票)
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