昭和残侠伝 死んで貰います の すかあふえいす さんのクチコミ・感想

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昭和残侠伝 死んで貰います の すかあふえいす さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 昭和残侠伝 死んで貰います
製作国
上映時間92分
劇場公開日 1970-09-22
ジャンルアクション,ドラマ,シリーズもの,ヤクザ・マフィア
レビュー情報
《ネタバレ》 全盛期のマキノと比べると落ちるという人もいるかも知れないが、俺はマキノが晩年に咲かせた傑作の一つだと思っている。

高倉健にとっても、健さんの生き様が鮮烈に刻まれた1篇だ。

夜、ヤクザが賭博をする場面から映画は始まる。若い男が博打の不正を“眼”で訴えるが、話は入れられず男は後を去り、道端で先ほどのゴロツキが男を袋叩きにし“警告”をして去っていく。

雨が降りしきる中、傷ついた男を若い乙女が手当てをする。傷ついた心に、暖かい酒と優しさが染み渡る。この場面がキレイでさあ。

そっから3年後、どうしてこうなったヤッパ片手に不正ごとをブッ刺し、賭博をブッ壊してブタ箱行き。見破ってこそイカサマなんて言うから・・・。
健さんは、一体何度映画の中で捕まっているのだろうか。

「ヤクザもここまで落ちたら一人前の馬鹿だ」
菅原文太「サーセン」

地震で絶たれる想い、家族の帰りを待ちわびて死んだ人々への申し訳なさ・・・。
「“きらく”って宿知っているか?」
「きらくきらくと言われても・・・」
ツマんねえギャグ言ってんじゃねえよコノヤロウ。

震災後の混乱がヤクザも追い込む。

出所後はまっとうになろうと振舞うが、惚れた女の危機には黙ってられねえ人情、その女のためにひたすら耐えて、耐えて、耐える。
二人っきりで本音を洩らす男気、それに応える侠の精神。

料理人の腕前もまた“血”で決まってしまうのだろうか。俺も健さんの玉子焼き食いてー。
松っちゃんのスタイリッシュ面接。

ただ、彼自身が変わっても、それを知らない人間は絶えず追いかけてくる。今まで流した血や体に刻まれた傷、犯してきた罪はどんなに洗っても拭われない。

そして、たった一枚の紙切れのために死んでいく人々の無情さ。

積もり積もった怒りは、爆発させるしかない。柳の木が連なる長い道を、ゆっくりと歩いていく漢たち。

抜刀、血しぶき、凄絶に散る侠たちの生き様、死に様。
馬鹿は死ななきゃ治らねえ・・・「死んで貰うぜ」・・・!
すかあふえいすさん [DVD(邦画)] 9点(2014-11-30 03:51:41)
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