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《ネタバレ》 わざわざ元日にこんな重たくて暗い映画をTV放送する意味がどれくらいあったのか大いに疑問ですが、なんだか落ち着いてシッカリ鑑賞することができました。黒澤明だからという特別な気持ちは一切持っていませんが、なぜか黒澤映画は心に残るシーンが多い。本作に関してもやたらと印象に残る独特なシーンがあって妙に引き込まれました。
内容的にはよくあるシェークスピアをなぞっただけというありきたりな流れですが、元々リア王が手を加える部分が無いド定番の流れなので、やはりどこの世界でもいつの時代でも長男次男は愚かなものだと痛感させられます。 皆様同様、楓の方(原田美枝子)が素晴らしい。これと双璧をなすハズだった末の方(宮崎美子)の顔がアップにならないのは解せませんでした。しかも秀虎(仲代達矢)とのシーンでは表情に言及するのでなおさら見たくなりました。また、狂阿彌(ピーター)がかなり役不足で残念でした。いえいえもちろん頑張ってはいますが、明らかにスペックが足りておらず準主役といえなくもない大役を任されるにしてはかなり物足りない演技力だったと感じます。 良かった点は太郎次郎三郎で旗の色が異なる点は判り易くて良かったです。また血の色が妙に鮮やかな点も素晴らしかったです。まるでこの世の地獄がきちんと描けていました。これらはカラーならではの利点でした。随所に間延びする部分もちらほらありましたので少し厳しめの点数にしてありますが、個人的には傑作とは言い難いもののかなりの良作でした。 【アラジン2014】さん [地上波(邦画)] 7点(2024-01-04 14:43:21)
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