カリートの道 の JF さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > カ行
 > カリートの道
 > JFさんのレビュー
カリートの道 の JF さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 カリートの道
製作国
上映時間144分
劇場公開日 1994-04-23
ジャンルアクション,ドラマ,シリーズもの,犯罪もの,ヤクザ・マフィア,小説の映画化,バイオレンス
レビュー情報
《ネタバレ》  少し枯れた男が人生を取り戻そうとしている。少しずつ、情けの無くなった慣れない元の街にも溶け込み、周囲には「あの麻薬王も落ちぶれた」と陰口をたたかれながらも筋を通す。筋を通し、ウルトラにまっすぐに昔の女と愛をはぐくむ。夢の成就まであと少し。だがゲイルは言う。「あなたはもうすぐ死ぬのよ。」。鑑賞している私たちも最初から知っている。カリートは死ぬと。周囲に次第に暗雲が立ち込める。旧友の裏切り。台頭してきた若いギャング。反するようにゲイルの妊娠。
 カリートの死にざまを観るのこの映画を観た人は、ほぼスカーフェイスも観ているのでは。スカーフェイスの爆裂したパワーは本映画には感じられない。しかしパチーノ演ずるカリートはその後のトニーとしか思えない。カリートも昔やんちゃで、けんかっ早く、自分が望んだかどうかはわからないが殺してきたのだろう。
 いやがおうにも緊張感が高まる展開。カリートの夢の実現とそれを阻む人間たちの襲来が同じテンポでやってくる。裏切ったクラインフェルドへも直接ではないが逆の意味で義理を果たす。
 そんなカリートが生きてゲイルと逃げのびることをここまで願うとは自分でも思わなかった。死ぬってわかっている。最初にそういうシーンがあるのだから。でもあの映画史に残る銃撃戦(デパルマグッジョブ)を逃げ延びたカリートは撃たれるが、実は生きていたなんて展開にならないかと念じた。
 だが…、あの歌が。もっと違う歌なら無理やり違うエンディングの可能性を心に秘めることができたかもしれないが。あの歌がかかると、映画はここでかっちりと終わるのだ、カリートの道はここまでなんだ、と思い知らされた。超逆接的ラブソング。「you are so beautiful」。
 カリートの不器用さに憧れて、筋の通し方に心を奪われ、愛に泣けた。
JFさん [DVD(吹替)] 8点(2015-06-08 11:48:14)(良:1票)
JF さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2016-10-26劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。8レビュー5.08点
秒速5センチメートル(2007)8レビュー6.18点
2016-10-16君の名は。(2016)8レビュー7.00点
2016-10-10SCOOP!7レビュー5.44点
2016-09-24ブラック・スキャンダル7レビュー5.88点
2016-07-26神さまの言うとおり6レビュー4.86点
2016-07-26オートマタ7レビュー5.83点
2016-03-22世界の中心で、愛をさけぶ7レビュー5.27点
2016-03-22早春物語6レビュー4.42点
2016-03-22二代目はクリスチャン5レビュー6.51点
カリートの道のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS