Mank マンク の Cinecdocke さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > マ行
 > Mank マンク
 > Cinecdockeさんのレビュー
Mank マンク の Cinecdocke さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 Mank マンク
製作国
上映時間132分
劇場公開日 2020-11-22
ジャンルドラマ,モノクロ映画,伝記もの,配信もの
レビュー情報
《ネタバレ》 映画史に残る名作が如何にして誕生したのか。当然ながら『市民ケーン』の視聴は必須であり、'30年代のハリウッドの内幕と政治的背景を知らないと確実についていけない間口が狭すぎる映画である。一見、フィンチャーらしかぬ古風な本作であるが、描かれている内容は恐慌と選挙戦のフェイクニュースという、21世紀アメリカの民主主義の根幹を大きく揺るがす事態が現在進行で起きており、内輪話で終わらせず、その先にある映画の未来を照らし出す。本作の案内人がもう一人の"産みの親"、ハーマン・J・マンキーウィッツ。破天荒でアル中だが、メジャースタジオに属しながらも世の腐敗と権力に屈しないアウトサイダーの側面を持ち、ウィットとユーモアあふれる憎めない脚本家。メディアを牛耳る新聞王ハーストと対峙する凍り付く空気と緊張感が走る。どんなに才能があっても所詮は"オルガン弾きのサル"。権力者に生かされている皮肉に対し、彼は全てを失っても裸一貫で『市民ケーン』を書き上げ、映画史に名を残す過程に胸が熱くなった。なぜ当初の契約を破ってでもクレジットに残したのか。「世界はこのままで良いのか?」という、クリエイターの信念と矜持にフィンチャーと脚本を遺した父親の姿が重なった。ちなみにカリフォルニア州知事選に出馬・落選したアプトン・シンクレアは、21世紀の『市民ケーン』と称された『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の原作者であり、ある種の因果を感じる。
Cinecdockeさん [インターネット(字幕)] 8点(2020-12-24 21:17:15)(良:1票)
Cinecdocke さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-08ゴーストバスターズ/アフターライフ7レビュー5.80点
2024-03-30オッペンハイマー6レビュー6.40点
2024-03-30ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密5レビュー6.08点
2024-03-08君たちはどう生きるか(2023)5レビュー5.84点
2024-03-08アメリカン・フィクション6レビュー6.50点
2024-03-01ボーン・レガシー4レビュー4.92点
2024-02-23落下の解剖学6レビュー6.75点
2024-01-29スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム5レビュー7.36点
2024-01-27生きる4レビュー8.02点
2024-01-17スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム6レビュー6.63点
Mank マンクのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS