ギレルモ・デル・トロのピノッキオ の Cinecdocke さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > キ行
 > ギレルモ・デル・トロのピノッキオ
 > Cinecdockeさんのレビュー
ギレルモ・デル・トロのピノッキオ の Cinecdocke さんのクチコミ・感想
作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 原典とディズニーアニメへのリスペクトを散りばめつつ、ギレルモ・デル・トロなりの解釈を加えた、
"ピノッキオの冒険"というよりは"ピノッキオの数奇な人生"に近い。

戦争と死が身近にあったムッソリーニ政権下のイタリアで、
ピノッキオは時代に翻弄されながら権力と運命に屈せず、自分の意思で試練に立ち向かう。
しかも彼は死んでも待機時間と称して、時間が経てば何度も生き返ることができる。
つまるところ、限りある生を持った人間とは違い、永遠の命を持つことの意味を彼は知ることになる。

我々が知っているピノッキオは最後は人間になるが、本作では木の人形の少年のままだ。
ハッピーエンドになっても、いつかは死という永遠の別れが訪れ、ピノッキオ一人が残される。
冒険を通じて、様々な通過儀礼を経験した彼は新たな旅に出て、その先の物語をどのように紡いだのだろうか。
寂しげで儚い終わり方であり、逆説的に言えば、
ピノッキオではない人間はたった一度の生を如何に生きるかを問われていると言える。
国家に言われるがまま、少年兵として散っていくのか?

ストップモーションによる表現力もさることながら、隅まで行き届く美術を堪能。
とは言え、友情を育んだ市長の息子の消息が不明のままで、
終盤の興行師との"再会"が偶然すぎたりと、脚本的にもう少し何とか出来たと思うが。

ユアン・マクレガーによる主題歌は必聴。
すごい歌唱力だ。
Cinecdockeさん [インターネット(字幕)] 7点(2022-12-10 02:02:50)
Cinecdocke さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-03-08君たちはどう生きるか(2023)5レビュー5.84点
アメリカン・フィクション6レビュー6.50点
2024-03-01ボーン・レガシー4レビュー4.92点
2024-02-23落下の解剖学6レビュー6.75点
2024-01-29スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム5レビュー7.40点
2024-01-27生きる4レビュー8.02点
2024-01-17スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム6レビュー6.63点
2024-01-12ゴジラ-1.07レビュー7.48点
2024-01-07ヴィーガンズ・ハム5レビュー6.00点
2023-12-31RRR7レビュー7.97点
ギレルモ・デル・トロのピノッキオのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS