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《ネタバレ》 監督は前作の成功体験で味を占めたのか、情報を遮断されたヒロインの一人称で
帝国末期の閉塞感と混沌を描く試みは見事に失敗している。 登場人物たちの思わせぶりな台詞と一向に進まない展開、消化不良のまま残る謎など、 ひたすらヒロインに寄り添う撮り方が本作の舞台とミスマッチ。 ホロコーストという強烈な舞台装置があった『サウルの息子』はその焦らし方が効果的だっただけに、 監督のメッキが剥がれた形だ。 難解と言えば聞こえが良いが、逆に言えば「何を描きたい?」とも言いたくはなる。 歴史の闇を描きたいのか、激動の時代を生きようとするヒロインの強さを描きたいのか。 ヒロインが何を考えて行動しているのか分からず、妄想も幻覚も入り混じり、 最後は第一次世界大戦に兵士として従軍している。 帽子店が存続のため貴族に女性従業員を捧げている、性奴隷を匂わせる嫌悪を見るに、 彼女も過去に似た被害を受け、女性の殻を脱ぎ捨て、兄から憑依されるように同化したと解釈できるが。 当時のハンガリー史を知っていること前提。 帽子店を訪れた皇太子夫妻が翌年どうなったかは言うまでもない。 【Cinecdocke】さん [インターネット(字幕)] 4点(2023-10-19 22:19:15)
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