マッドマックス 怒りのデス・ロード の DADA さんのクチコミ・感想

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マッドマックス 怒りのデス・ロード の DADA さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 マッドマックス 怒りのデス・ロード
製作国,
上映時間120分
劇場公開日 2015-06-20
ジャンルアクション,SF,シリーズもの,バイオレンス,3D映画
レビュー情報
《ネタバレ》 極限状態にあれば「人はパンのみに生きるにあらず」など、余裕で言っていられない贅沢な言葉なのだろう。「マッドマックス2」以降、このシリーズの根底に横たわるのは、剥き出しの形で表現された、生き残りのための命を賭けた殺伐とした闘争であり、生きる者の生存欲求の強さ。オイルや水など、人の生存に不可欠な根源的資源の争奪を通して、エゴイスティクなDNAの特性を考えてしまう。

水の所有・管理権を持つイモータン・ジョーが、民を意のままに支配する構図がそれで、如何にも分かりやすい。密かな目的を持った女隊長、フュリオサに率いられ、隠れて逃げる、生みの性、母体としてのみ、イモータン・ジョーに生存価値を与えられていた、虐げられし女たちの反乱が話のベースとしてあるのは興味深い。

女達が水タンク車と共に、伝説の緑の地を目指すというのは、聖書の「出エジプト記」のカナンの地を目指し、紅海を渡る話と奇妙にクロスする。目指す先に砂嵐が壁の如く立ち塞がるシーンを対比させ考えると、そこに、ラムセス2世から逃れ、やはり紅海を前にしたモーセに率いられたイスラエルの人と同じ構造が浮かび上がる。

「死を恐れるな、死んで甦れ」と唱え、追撃してくる白塗りのウォー・ボーイズの群れ。おそらくISISの戦士たちも同様の信仰を信じ込まされ、進んで死地に向かうのだろうか。日本だと、織田信長に対して武装蜂起した、一向一揆の戦い「進むは極楽、退けば地獄ぞ」の言葉が思い起こされる。人を死地に向かわせるには、嘘で出来た人を陶酔させる魔法の言葉が必要という事だろう。

女たちを乗せた巨大なタンク車をターゲットに、群なして襲い来る、そのウォー・ボーイズ達は、卵子を目指して競争する精子の群を連想させなくもない。軽快に飛び跳ねながらモトクロスバイクで襲撃してくる、敵地での攻防シーンはジョン・フォードの「駅馬車」で襲い来るアパッチを彷彿とさせワクワクする。火を噴くエレキギターと太鼓の音も賑やかに、砂煙をあげ疾走するイモータン・ジョーの一団の狂気が見もの。何と言っても、こうした70過ぎのジョージ・ミラーのぶっ飛んだイメージ形成力には恐れ入る
DADAさん [インターネット(字幕)] 8点(2017-03-10 18:22:34)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2018-10-25KUBO/クボ 二本の弦の秘密6レビュー6.66点
2018-05-15エル ELLE7レビュー6.26点
2017-07-12ユキとニナ5レビュー4.66点
2017-05-21野火(2014)4レビュー6.16点
2017-05-19悪童日記8レビュー7.25点
2017-04-19ヴィオレッタ7レビュー5.66点
2017-04-12黄金の肉体/ゴーギャンの夢8レビュー8.00点
2017-04-10エレニの旅8レビュー7.33点
2017-04-09グッドナイト・マミー(2014)7レビュー6.13点
2017-03-28シン・ゴジラ6レビュー7.24点
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