ダークナイト ライジング の nakashi さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > タ行
 > ダークナイト ライジング
 > nakashiさんのレビュー
ダークナイト ライジング の nakashi さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ダークナイト ライジング
製作国,
上映時間165分
劇場公開日 2012-07-28
ジャンルアクション,サスペンス,SF,シリーズもの,犯罪もの,漫画の映画化
レビュー情報
7点か8点かで迷って、結局8点。
いかんな、ノーラン作品は甘めの点数になりがち。

今作の不満点は大まかに二つ。

第一に、作品内でのリアリティが薄れたことによる、物語への没入感の減退。影の同盟や核兵器はやや荒唐無稽な印象が強く、前作で推し進めたマイケルマン風の犯罪劇から物語が離陸したために、物語に上手く入っていけなかった。
第二に、参考にする映画作品を決めていないため、物語も作風もやや散漫になってしまった。ダークナイト以降のノーラン作品は参考にする映画作品を明確に定めて、それを意識した展開や作風にすることで、作品の質を高めていると私は考えているが、本作は参考とする映画作品は定めていないように思える。本作で制作者が決定的に意識した古典作品はディケンズの二都物語。だが、二都物語は有名作品ではあるものの、ディケンズの悪癖であるプロットの破綻や冗長な文章表現が指摘される作品でもある。つまり、本作においては、参考にする古典作品の選定を失敗したために、作品も散漫なものになったのではないかと私は見ている。

ただ、大いに評価できる点も二つ。

一つは、インセプションからの再登板キャストが多い。ノーラン監督の役者への愛着が感じられて好印象。ケイン御大、キリアン、トムハは常連決定だが、ぜひJGLやマリオン姐さんも、今後のノーラン作品への再登板を期待したいところ。

第二が、ラスト付近のバットマンとゴードンのやり取り。あの場面で涙した映画ファンは多かったのでは? バットマンはゴッサムのヒーローだが、バットマンにとってのヒーローはゴードンであった。これ、演じたクリスチャン・ベールとゲイリー・オールドマンとの関係にも当てはめることができるだろう(クリスチャン・ベールの尊敬する俳優は、ゲイリー・オールドマンである)。何より、我々映画ファンにも当てはめることが可能だろう。90年代からエキセントリックな演技で人々を魅了してきたゲイリーは、そこまで映画好きでない人にとっては物凄く怖い悪役の人でしかないだろうが、我々映画を愛する人間にとってはある種のヒーローだった。そういう意趣があの場面には込められており、ノーラン監督の意外な(?)熱い一面が垣間見ることができて、印象深かった。
nakashiさん [映画館(字幕)] 8点(2019-01-21 22:42:07)
nakashi さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-10オッペンハイマー9レビュー6.40点
2024-01-26マルホランド・ドライブ7レビュー7.12点
2023-11-05キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン8レビュー7.20点
2023-08-13JFK7レビュー7.25点
2023-03-21禁じられた遊び(1952)8レビュー7.75点
2023-03-21ウエスタン10レビュー7.98点
2022-10-30オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分8レビュー6.14点
2022-08-14ひまわり(1970)8レビュー7.66点
2022-08-148レビュー6.67点
2022-05-18ニキータ6レビュー6.77点
ダークナイト ライジングのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS