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《ネタバレ》 どんな仕事でも、その道を極めた人の所作というものは美しい。
まして、人生の最期に携わる気の抜けない仕事。 納棺師という仕事があることをこの映画が公開された時に初めて知ったが、今回が初見。 大吾の動き一つひとつが死者と遺族への敬意に溢れていて、美しく気高い。 ただ、身近な人物の納棺を見ないと、この仕事への理解はなかなか難しいのかもしれない。 妻の嫌悪感は理解できるものの、少し言葉が過ぎた。 死人で食ってるくせにと遅刻を怒った男が、死化粧をした妻を見て、今までで一番綺麗だったと頭を下げるエピソードで充分伝わったのになあとその点が残念。 脇を固める山崎努と余貴美子のキャスティングが素晴らしく、物語に重厚さとユーモアを添えるのは流石。 亡くなった父親の所へ行ってやってくれと頭を下げる一連のシーンは、この映画最大の山場で、心を落ち着けた大吾が父親をおくるシーンは、愛と敬意と悔恨と信頼といろんなものが詰め込まれながらも、静謐。本当に美しいシーンだった。 人の人生に対する慈愛と敬意に満ちた佳作。 【roadster316】さん [インターネット(邦画)] 9点(2020-10-04 09:07:51)
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