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レビュー情報
《ネタバレ》 2023年現在サヴァン症候群の能力として,誰も知らない公にされていない事実を知る力というものはない。だから,プロートが発揮する能力は,完璧な暦計算や途中ジェフ・ブリッジズが例に挙げた驚異的な視覚的記憶力と再現力,音楽的記憶力などとは全く違う性質の能力だ。考えてみても当たり前だが私の秘密を知る能力をもつ「病人」なんているわけがない。
この映画は地球外生命体(ハードウェアは人間だが,ソフトウェア(意識?)がそれと入れ替わっている)と医者の交流を描いた映画です。プロートが提示する価値観は極めて示唆に富んでいるのですが,英語の発音の容易さを説明する際に「宇宙でも発音が困難な言語」を実際に発音してみせた場面とは違い,惑星間移動方法の説明を求められるシーンと社会秩序の維持方法を聞かれたシーンでは人類の無能さを指摘するだけに留まり,説明に具体性を欠いたのが残念。確かにこの場面だけを見るとプロートの反応はニセ教祖の反応と同じ。というより勘違いで本気で知恵を請いたくなる気分にさせるほどケヴィンスペイシーの演技は素晴らしい。 病院にいる患者も個性的でよいし,プロートが患者を徐々に治癒していく過程はこの映画の主流を構成する一部になっている。音楽も素敵。静かで気持ち良い緊張感が最後まで続く,出会えてよかったと思える傑作です。 【超見聞人間シネマボーイ】さん [インターネット(字幕)] 9点(2023-05-05 00:03:50)
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