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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
製作国
上映時間159分
劇場公開日 2019-08-30
ジャンルドラマ,犯罪もの,バイオレンス
レビュー情報
《ネタバレ》 大好きなタランティーノ監督の9作品目。三年前にパルプフィクションにハマり、タランティーノ作品全てを鑑賞し、満を持して劇場に足を運んだ。
結論から言えば肯定的ではあるが絶賛には遠い評価だった。
今回の作品はタランティーノの懐古主義的な側面がかなり前に出た。映画オタクのタランティーノが渾身の力で再現した煌びやかな1969年のハリウッド。そこにはタランティーノの映画愛が詰まっている。しかし、この映画を本当に楽しむには沢山の知識が必須である。当時の映画や音楽、テレビに至るまで様々なコンテンツが散りばめられている。まだ学生である私はスティーブマックイーンの大脱走やブルースリーといった有名どころは知っていたが、やはりそれ以外の事はあまり馴染みがなかった。それ故、いつもタランティーノの作り上げる世界は大好きだが今回はそこまで魅力を感じなかった。そして、シャロンテート殺害事件に関する情報も確実に頭に入れなければならない。私はカルト教祖チャールズマンソンの信奉者がシャロンを惨殺した程度の知識で映画を観た。しかし、この時代のことをよく知らない自分にとってはこの殺害事件が華やかなハリウッドにどれほどの影を落としたのかということはどうしても身に染みて分からない。こうしたことを知っておくと本作品でタランティーノが自身が映画の中で大好きなハリウッドのために起こした奇跡の凄さがもっと実感できるだろうと思った。
本作品と同様に過去の負の歴史にタランティーノが映画中で復讐を試みたイングロリアスバスターズとジャンゴはそれぞれナチスと黒人差別に対する復讐であり、事前知識もなく世界中の人々が胸糞の悪くなる事柄を敵としている。チャールズマンソンの事件はそれら2つに比べると知られていない。
つまりこの映画にはそれなりの知識が必要ということ。だから、これらの知識を持ち合わせていないと本作の魅力に気づくことは難しいと思う。これに限らず様々なジャンルに置いて映画は無知には非情である。
それ以外にも自分の中で消化不良感を生み出したのはタランティーノらしさが今作品では抑えめだと感じたからだ。もちろん、リックが大脱走の主演候補だったという話やブラピVSブルースリー、子役の少女に慰めてもらう泣き虫ディカプリオとかタランティーノらしいシーンも多くあった。あと、タランティーノ組のマイケルマドセンやゾーイ、カートラッセルもチョイ役だったが出演してたのも嬉しかった。タバコの箱が画面に出てくるたびに確認していたレッドアップルもエンドロールでようやく登場!
しかし、よく見られる章立てや時系列入れ替えによる脚本の面白さ、フルスロットな会話劇にしょうもないけど魅力的な無駄話、個性豊かな脇役たちといったタランティーノの持ち味が他作品に比べると弱いなと感じてしまった。パルプフィクションのハンバーガーやボスの妻へのマッサージの話、ジャンゴのKKKの衣装の話並みのインパクトのあるシーンもなかった。
キャラについてもブラピもディカプリオも良いけど、パルプフィクションのジュールスとかイングロリアスバスターズのランダみたいな強烈キャラに比べると見劣りするかなと感じた。ただ、これまでのタランティーノ作品にはほとんど見られなかった登場人物の心情の緻密な描写が印象的だった。キルビルからジャンゴまでメインは復讐であり、登場人物はそれぞれ強い復讐心の一心で行動していた。今回、ハリウッドで徐々に居場所を失うリックの葛藤や苦悩がタランティーノ風にユーモラスに描かれていて新鮮だった。これまで顕著だった奇抜で少し現実離れした世界観よりも彼の愛するハリウッドの再現を優先したのだろう。再現度の高いハリウッドよりもいつも通りのキレキレの会話と巧妙な脚本を期待していたというのは正直な感想であった。
そしてもう一つ期待していたカタルシスはラストのラストでついに解き放たれた。ブラピと犬が壮絶な闘いでマンソンファミリーをボッコボッコにして最後にディカプリオがイングロリアスバスターズを思わせる過去の出演作品が伏線となり火炎放射器で業火を浴びせる。まさに最高の爽快感でありこれぞタランティーノと最後にいわせてくれた。これを待っていたと。ラスト13分は圧巻だった。
ラストは満点だったけど、自分の知識不足とタランティーノらしさ控え目によりこの点数にした次第です。
タランティーノは本作品での引退もあると語ってるとか。これで引退は絶対にやめてほしい。タランティーノは言った。『映画は自分の為に作っている。役者や映画製作の様々なスタッフはその手助けをしてくれているという位置づけだ。』だから自分の作品に自信があるし確固たる信念がある。私はそんな彼の新作を何年かかっても待ち続けるしかない。
whoopiさん [映画館(字幕)] 6点(2019-09-13 16:06:58)
その他情報
作品のレビュー数 43件
作品の平均点 7.05点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
312.33%
412.33%
5716.28%
6716.28%
7818.60%
81125.58%
9511.63%
1036.98%
作品の標準偏差 1.66
このレビューの偏差値 46.18
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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