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《ネタバレ》 いや~、ド初っ端からあまりのスリラーっぷりに完全に引き込まれてしまったのですが、でも、ココなんかだってスリラーやホラーの観点からしたって、同時期のユニバーサル怪奇映画なんかと比べてもかなり異質…とゆーか私の好むトコロの現代的な「見せない」恐怖とゆーのが大いに感じられたりもしたのですよね。全編を通しても(時代相応に)ショッキングな描写に対する「制約」とゆーのはごく強力なモノとして感じ取れるのでして、暴力的・猟奇的な描写や反道徳的な展開なんかも中々描くコト自体が(そもそも)出来なかったという様に見える、その部分は当然(コレもやはり現代的な感覚からすれば)「演出の不自然さ」という印象にも繋がってくると思うのです。しかし、逆にそれ故に、全く語られない少女らの行く末を我々自身が如何ようにも惨たらしく想像し得るが為に、作中の幾つかの犯人と少女のシーンは却って実に寒々しく恐ろしいモノに見えてくる、この現象にはもはやある種の(恐怖映画としての)普遍性・不滅性が在る様にも思われますよね。そして、ソレは明らかに「監督の狙い」だ…とも(少なくとも私には)感じられるのです⇒その時点で、今今に私が観たトコロでもやはり確実にエポックメイキングな…と言うに値する傑作だと思われるのですね。
加えて、更に一つ優れていると思うのが、その映画史上に確実に残るだろう絶大な「ショッキングさ」が故に、本作にも辛うじて描くコトが許されたのであろう(極めて不埒な)終盤の「人民裁判」などといった作中の描写もろもろが、当時のドイツ社会の「歪み」という恐るべきリアルそのものをまた見事に体現している…という実に巧みな構成ですね。ココは、作中にも名前が登場するグロスマンやハールマンといった1920年代のドイツの実在のシリアルキラーについての知識が前提に無いと理解は難しいトコロかとも思われますが、おそらくこの映画は(前述した描写のまろやかさを踏まえたとしても・私なんかが現時点で観るよりも遥かに)当時の人々にとっては切実な恐怖だったのだろうと思うのです。もしかしたら、人類史上最も「本当に恐ろしい」映画のひとつだったのではねーか、とすら。だから、今作を観てのみの判断としてさえ、暢気な現代のホラー好きを自認する私の趣味の観点からとて、この時代のドイツ映画とゆーのは大いに絶対に鑑賞に値するのではないか…と一発で思わされてしまったのですね⇒そしてソレは、この時代のドイツとゆーのがまたある種、非常に高度に「狂って」いた…というコト自体を、残念ながらコレも非常に確からしい「歴史的」事実として(私も万人並みに)理解しているからだ、とでも言いますかね。なんか、全く思いがけずも実に高度なホラー的「閃き」とゆーのを勝手に拾い得てしまいました。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-10-30 22:33:21)
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