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《ネタバレ》 映画のジャンルの中でも純・恋愛映画というヤツは、肝心なシーンでとっておきのムーディな名曲を流しとけばそれだけでも結構成立する(否、名作にすら成り得る)と個人的には考えているし、この中島みゆきの『糸』という曲も、そーいう使い方をする分には十分な力を持っている名曲のひとつだ、と思っているのだ。
しかし本作は、一見そーいう純愛映画な風に見せかけてその実、男女ふたりの人生(前半生つーか)そのものを描き出してゆくという(シンプルな恋愛映画よりは)間違い無く奥行きの深い作品なのだし、同時にそれを通して平成という時代を丸ごと振り返ろうとしている、とも言うことが出来る。その意味では、高度な一貫性があると言うよりはある種オムニバス的な作品なのであり、非常に多岐に渡る小テーマ(特に、ひとつの「時代」を描くというやや大それたコトを含む)をひとつに融合する、という大役を果たせるとなると、これは本当に限られた特殊な曲、ということになってくるかと思う(それこそ国民的名曲、例えば昭和なら『川の流れのように』とか)。結論、やはりちょっとコンセプトに無理があった映画、ということにも感じられる、のですね。 【Yuki2Invy】さん [ブルーレイ(邦画)] 4点(2021-05-27 23:55:50)
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