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《ネタバレ》 雑多な登場人物に加え、描かれる時間軸も多様に切り替わる、が総じて、この映画は10代後半から30歳直前の人生で最も輝かしい時期を様々に生きる若者たちを描き出した作品だと言えるだろうし、そして最も重要な点は、これも総じて彼らがその人生のゴールデンタイムをイマイチ輝かしく謳歌できていなかった様に見える、ということにも思える。
加えて、登場人物には割と受動的で人生に「無為」とも見えかねない熱量の低い人も多く、その意味でも全編通してあまりテンションは高くなってゆかない。群像劇というよりは青春風景のパッチワークというか、物語性も決して明確とは言い難い。繊細な見所を擁する文芸映画、と言う方が確かに実態に近いだろうし、作中の何かしらに引っ掛かることが無いと、そのまま退屈な作品に終わってしまう恐れも大いに在ると言えるだろう。 でも、振り返って人生で一番愛おしいのは、やはりその「やり残し」ではないか、とも感じる。ひたすらに「意味」を積み重ねる人生も、充実してはいるのだろうが少しばかり疲れるだろうと思うし、例えその意味が明白でなくても、人生には絶対に「無意味」な時間はないのだろうとも個人的には考えている。少なくとも私は本作からは、決して悪からぬノスタルジイを汲み取ることが出来た。 人生、人目も憚らずただ泣きながら大声で歌いたくなる時もありますよね。でも、それが許されるのはギリ20代までではなかろうか。30過ぎてもそんなことやってたら、それはもうちょっと変な人だ、とも。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(邦画)] 6点(2020-09-15 21:17:42)
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