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《ネタバレ》 とにかく、主人公の女のコにかかる「負荷」とゆーのがのっけから非常に高いのですよね。邦画で言えば3,40年以上前くらいの作品だと、こーいう全方位から頼られまくって辛そうな女のコ(女性)とゆーのは実はワリとよく見た様な気もするのですが、近年の作品において仮にこーいう状況があり得るとしたら、それはもう親(家族)の側に大きな「問題」があるに違いない…だからソレはその時点で非常に「暗い」社会派作品になってきちゃうとも思うのですね。ただ、今作の彼女の親には「問題」がある…と言ってしまうとソレはおそらく表現として適切でないと思いますし、ただ一方でその「ままならなさ」が確実にかなり深刻であるのもまた事実で、だからお話自体はそこまで超暗い雰囲気には決してなってないのですが、一方で尚更この主人公に対する(ごく暖かい)共感・感情移入とゆーのは更に更に深くなってゆく…という様にも感じましたね。まずは誰もがハートフルに心動かされるだろう優れた映画だと思いますし、またこの部分はそれこそ「CODA」と言われる方々の現実をまま的確に映し出している…という意味でも(この時点でも)非常に価値の高い映画だと言えるのではないでしょーか。
ごく大まかなお話の流れのソレ自体は、ゆーてワリとオーソドックス・よくあるモノだと言ってしまっても好いかと思うのです。ただ、ソレを彩る細かい演出は総じてかなり優れたものであったかと感じます。特に、主人公とそのろう者の家族3人(父・母・兄)との中盤以降の対話は、家族でありながらその関係性の中に存在する一種の(互いの互いに対する)疎外感と、それを各々がどう乗り越えていったのか、が丁寧に描かれていてどれもとても見応えのあるものでした。また、主演のエミリア・ジョーンズちゃんの歌唱力を最大限に活かした歌唱シーンも、選曲の良さ&的確さも相まってどれも非常に効果的だったと思います。 もう一点、前述の家族3名はいずれも実際に聴覚障害のある俳優の方が演じておられる(と後から知った)のですが、その「利点」とゆーか、作中の家族の手話での会話シーンがコレまたどれも非常に優れた演技として出来上がっていたと感じました(実に感情の込もったパワフルなボディランゲージで、コレは一朝一夕に出来るよーなモンじゃなさそう…とは思ったのですケドも)。そしてその意味では、エミリアちゃんに関してはこの部分はソレこそ死ぬホド訓練して撮影に臨んだのだろうとも思われまして、そしてそういった部分もまた彼女の役柄における健気さ・逞しさ(そしてソレが醸し出す爽やかな魅力)という側面に確実に滲み出ていたのではないか…とも思われるのですね。 【Yuki2Invy】さん [映画館(字幕)] 8点(2022-02-03 22:48:14)
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