映画『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』の口コミ・レビュー

ミッシング・チャイルド・ビデオテープ

[ミッシングチャイルドビデオテープ]
2025年上映時間:104分
平均点:6.80 / 10(Review 5人) (点数分布表示)
公開開始日(2025-01-24)
ドラマホラーサスペンスミステリー
新規登録(2025-01-26)【ぴのづか】さん
タイトル情報更新(2025-01-28)【イニシャルK】さん
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キャスト森田想(女優)久住美琴
藤井隆(男優)塚本哲也
製作KADOKAWA
プロデューサー清水崇(総合プロデュース)
配給KADOKAWA
あらすじ
幼き日に一緒に遊んでいた弟が行方不明になり、今も尚見つからないままの敬太。そんな彼は行方不明者の捜索ボランティアとして活動していた。ある日、敬太宛てに実家の母親から亡き父の遺品とともに1本のビデオテープが届く。それは、弟が居なくなった日に敬太が撮ったビデオだった。霊感の強いルームメイトの司はそのテープから触れてはいけない何かを感じ取り処分すべきと進言するが、敬太は不快感を露わにして母親にテープを返しに行くと言い始める。そして二人は敬太の実家に向かうが、そこには彼の母親の姿はなかった…。第2回日本ホラー映画大賞を受賞した自らの同名短編作品を、近藤亮太監督が長編化して贈る。
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💬口コミ一覧

5.ネタバレ これから書くのは私の勝手解釈。毎度の話で恐縮ですが、誤読や頓珍漢あると思いますがご容赦ください。またネタバレありますので未見の方はご注意願います。

山の怪異。神隠し。物語の発端は主人公の弟の失踪でした。13年前のこと。また主人公の同居人(塾講師の男性)も弟君と同じシチュエーションで姿を消しています。この2人に共通するのは「ビデオで撮影された」ということ。ここからひとつの仮説が浮かんできます。
ビデオとはいわば「活動写真」。ご存じのように写真が普及するまでは「魂が抜かれる」という噂話がありました。もちろん迷信。ですが、全くのデタラメではなかったとしたら。2人が消えたキッカケとして「ホームビデオに写された」が考えられないか。もう少し突っ込むなら、カセットテープに音声を吹き込んでいた大学生パーティも同じく姿を消しています。ビデオやカセットテープは自己の複製品。魂も複写されるため「魂が抜ける」=「あの世に連れて行かれる」のではないか。と自分で振っておいて何ですが、これは必須条件ではありません。あくまで「魂が抜けやすくなる」だけ。例えるなら「寒空で薄着だと風邪をひきやすい」程度の話と考えます。ビデオが発明される遥か昔から神隠しは存在しますから。
では「神隠し」=「あの世に連れて行かれる」必須条件とは何でしょう。それは「人外の者が見えること」では。弟君言うところの「ぷよぷよ」であり、おそらくは神の類と思われます(以降、人外の者=輪郭がぼやけたヒトガタを神と呼びます)。神を認識したことで、2人は連れて行かれた。旅館の倅も山で神の視線を感じ取ってしまい連れ去られています。そういう意味では「見える」女記者は廃墟に辿り着いた時点でほぼ詰みでした。しかし彼女は助かった。いや助けられた。彼女の腕を掴み、2階に上ることを阻んだ手は神ではなく男の手でした。おそらくは主人公の父親。父親はずっと彼女に「息子を助けてやってくれ」と懇願していましたから。もし彼女があのまま2階に上がっていたら、間違いなくアウトだったでしょう。では主人公が二度に渡り、廃墟から生還できたのは何故か。それは「神が見えていなかったから」もう少し正確に言うなら「見たくないものは見えない」状態だったから。強烈な自己暗示。これは母親の死体に気付けなかった事実で裏付けられますし、おそらく13年前も同じことが起きています。絶対に見たくない弟の死体には気付けなかった。なお「見たくないものは見えない」を裏返すと「見たいものはよく見える」とも言えます。冒頭のエピソードで迷子を発見できたのはこの能力が活かされた為かもしれません。
最後にラストの解釈。女記者は「署名記事」という、ビデオやカセットテープに近い「自己複写」作業をしていますので、魂を抜かれ易い危うい立場にあります。また自室で同居人の気配を感じとった主人公は、ビデオに撮影されていました。撮影者は同居人でしょうか。残念ながら連れて行かれるフラグが立ちました。以上です。

BGMで過度に煽ったり、いわゆる「お化け屋敷」系の脅かし演出が無いのは好印象。地味といえば地味ですが、終始画面から緊張が消えずホラー作品として品質の高さが窺えます。この作風を今後の邦画ホラーのニューノーマルにして欲しいとさえ思います。ただあまりに「卒がない」ため面白味には欠けるかもしれません。例えば「日本ホラー映画大賞」内で比較するなら『みなに幸あれ』より断然本作の方が完成度は上ですが、手堅く万人に7点の本作に対し『みなに幸あれ』は刺さる人には10点の価値があると感じます。どちらが魅力的かといえば、個人的には後者を推したいのです。
目隠シストさん [インターネット(邦画)] 7点(2025-07-08 22:26:35)《新規》
👍 1
4.ネタバレ これは良かったですね。ホラー映画としては、割と好みのスタイルでした。
劇中、BGMが全くなかったように思いますし、ホラーにありがちな過剰な演出がなく実にしっとりとしてるんですよねぇ。
母の霊の描写や終盤の怪異も、単にピンボケしてるだけみたいな描き方なんだけどそれが十分怖い。
控えめなんだけど、だんだん心寂しくなっていくような全体のライティングも作り込まれてると感じるし、
子供時代の敬太が廃墟で弟を撮影してるこのVHS映像の質感とかがすごく良いんですよねぇ。白昼夢っぽい不気味さが出てて。
さて、ラストの廃墟での展開は観客に判断を委ねるもので、あれやこれやと考えちゃいますね。
手がかりになりそうな要素はいろいろあるんだけど、どれも決め手にかけるなと言いますか、断定ができないです。
特に久住美琴に起きたことが個人的には一番分かりません。でもこの手の届きそうで届かない描き方の距離感も含め絶妙で、
数あるJホラーの中でも秀逸な一本だなと感じました。
あろえりーなさん [インターネット(邦画)] 7点(2025-07-06 18:35:45)《新規》
👍 1
3.ネタバレ これはホラーはホラーでも所謂怪談噺ではないような?まぁ確かに人を惑わし連れ去る魔の山の話ということで括れば怪談噺のようにも思えますが、主人公の心の闇を描いたサイコホラーのように思えました。

勝手な解釈かも知れませんが、恐らくは弟の姿を見失った日、主人公は弟の変わり果てた姿を見ていた。ただ、死というものを直視した経験が心にキツく蓋をしてしまい、単なる嘘ではなく彼の視界から弟の姿は消え去ったのではないでしょうか?もしかしたら、捜索活動の中で弟の亡骸は発見されたのかも知れないし、廃墟だって消え去ることなくちゃんと地図上にもあるのかも知れない。人間の心の防御行動として、弟に関するあらゆる記憶や事実が、主人公の心の中では徹底して消去されたり改竄されたりすることはあるように思えます。なんなら司の存在だって脳内だけかも。まぁ聞きかじりの知識に基づいた推測に過ぎませんが。

ただ、そういった解釈だと解決できない要素もないことはなく(美琴の存在と彼女の経験する事象はその最たるものですね)、魔の山の齎した災厄と捉えた方がシンプルかも知れませんね。洋画で言うなら悪魔モノ。悪魔が登場すれば何でもアリの全部伏線回収可能。その方が解り易いかな?

でも、自分的にはサイコサスペンス的解釈の方が気に入ってます。ジャンプスケアや直接的表現を極力削ぎ落した映像表現は、その解釈の方が活きるような気がするので。あくまでも勝手な解釈をもとに7点献上です。
タコ太(ぺいぺい)さん [インターネット(邦画)] 7点(2025-07-04 14:30:21)《新規》
2.ネタバレ タイトル(&その字ヅラから想像される範囲の内容)も含め、根本的にはごく非常にオーソドックスな怪奇ばなし…だとも思うのですが、そこで今作がホラーとして提示するその恐怖の表現=どうやって怖がらせるのか、といった側面については、これも別にそこまでユニーク&奇抜で新規性に溢れるというモノでもなかったか…とは思いつつも、比較的高度でごく「オツ」な方のソレを志向して&ソレに完全に徹して&且つその上で全体としてかなり高度にソレを成功させていた、という、率直に言ってかなりの良作ホラーだと思われました。確かに、諸々の側面で『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の影響を非常に強く受けている(⇒特にあの「在ったり無かったりする建物」とか)という様にも思われますが、他方で、ココまで直接的に「ひと目で分かるホラー的存在」を映像内に持ち込むコト無く、しかも2時間近くをコレで観せ切ってしまう、てのはやっぱ凄いな…と素直に感心しております。とりあえず、今作は映画館で観るべきホラーかとは思われて居りますね。

第一に、展開運びは最初から最後まで中々に巧みだったと思われるのですよね。今作においてナニが怖いか…と言って、大きく一つは「不安・不可解・不穏」のもたらす怖さだと言うか、ただやはり最後まで観ても、その最大の「謎」というのは決してそれそのモノが効果的なトリックだと言える様なアイデアな代物ではない…とも思います。しかし、冒頭のシーンから実に巧~く常に「謎」=「不可解なコト・不自然なコト」を少しずつ残し続ける(⇒その一部は次のシーンで明かされる…のですが、またスグに次の引っかかりが出て来る+よく考えたらアレも変じゃない…?みたいなのもどんどん出て来る)、それに依って、まこと絶妙に居心地の悪い、どんよりと重~いイヤ~な空気が終始持続してゆくのですよね(⇒逆説的に実にホラー的に心地好かったですね)。後は、あの非常に画質の悪いビデオテープの映像が思った以上にまた気持ち悪いのと(⇒ドコでナニを映して驚かしてくるんだろう…?とジリジリと観てても、結局ナニも仕掛けてこない…というニクらしさ)、もう一点、音の使い方も全編通してホラー的にかなり上手かった・精密だったと思いました(⇒全然意識せずに偶然BESTIAで観てたのですが、望外に幸運だったかも知れませんね)。

最後にもう一度結論、冒頭からの不可解さがラストに向けて(収束してゆくのではなく)発散・破綻してゆくコトも含めて、全体的なホラー表現技法にも高度さの方がより強く感じられる、見かけに寄らずだいぶんハイレベル&玄人向けな方のホラーだったと言っても好かろうとは思うのです、が私としては実に非常に個人的嗜好にもマッチし、んで実際にも大いに楽しめる良作だったと思っております。再度、映画館でご覧頂ければと。
Yuki2Invyさん [映画館(邦画)] 7点(2025-02-01 16:17:36)
1.ネタバレ 第2回日本ホラー映画大賞受賞作品。
第1回の「みなに幸あれ」はとんだ期待外れだったが、本作はどうかなと早速見た。見た第一印象は「だいぶんマシだな」だった。
近藤亮太監督の特徴は「ヘタなCGの幽霊を見せないこと」だと思う。見せない怖さにこだわった作りは非常に良い。
中盤に唯一見える母親の霊もゾッとする怖さだ。このあたりのホラー的な演出は良かった。
だがお話はダメ。あれだけ謎をばら撒いておいて回収せずに終わっちゃダメだよ。道理でキャストが「続編を」とか言ってる訳だよ。
「光る君へ」じゃないけど「今日はここまで」が許されるのは連続ドラマだけだよ。
得点は7点にしたかったが上記の理由で6点にします。
ぴのづかさん [映画館(邦画)] 6点(2025-01-28 21:55:06)
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 5人
平均点数 6.80点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
6120.00%
7480.00%
800.00%
900.00%
1000.00%

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