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《ネタバレ》 “The Evil Dead”『邪悪な死者』。若干21歳のサム・ライミくんが、映画好きな仲間たちとワイワイ…というか結構真剣に創った自主制作ホラー映画です。ストーリーはあってないようなものだし、お金も掛かってないのもご覧の通り。知恵を絞った特殊メイクとグロ表現。美女の裸体に絡む木の枝の動きや、霧深い森の奥で地を這うような滑らかなカメラワークを堪能しましょう。
画面外から急に飛び出してきたりはビックリするし、足首に鉛筆を刺す特撮は痛そうでした。子供の頃にリアルタイムに観ていたらきっと怖かったでしょうけど、怖がるよりも、特殊メイクの労力を想像し、手作りの温かさを感じてしまいます。この時代のホラーには、本気の怖さを求めるものじゃないんですよね。ガチで怖い映画が総合格闘技だとすると、このタイプのホラーはプロレスでしょうか。 プロレスだけに、本棚に挟まれて動けないアッシュにハラハラするとか、地下室からちょくちょく顔を出してるシェリルを怖がったりとか、観る側も正しい楽しみ方で臨みましょう。 人間関係の殆ど語られないこの映画、なんでアッシュはお姉ちゃん連れてきたんでしょうね?2組のカップルなら解るんですが…謎。 この死霊とやら、ゾンビではなく憑依した悪霊なんでしょう。リンダが一瞬マトモになったことから、あの場所から逃げることができれば、みんな元に戻った可能性があります。 死霊に取り憑かれて地下室に閉じ込められるシェリル。ずっと扉をバタバタしてるのは、きっと仲間(死霊)を助けようとしてたんでしょうね。悪霊シェリーをバラバラにしたスコット。普通なら警察を呼ぶ事態ですが、アッシュは埋めるのを手伝います。兄弟揃って仲間思いですね。小屋から引きずり出したリンダの、めくれ上がったスカートを直してやるアッシュの紳士っぷりも見逃せないポイントです。小屋の前にお墓を作るの、小屋のオーナーはいい迷惑だわ。 しかし死霊に取り憑かれた彼女ら、爪の攻撃力はちょっと上がってるっぽいけど、知能が下がってるから、相対的に人間の時と戦闘力が大して変わらないのは如何なものか。 恐怖の夜が明けたら無事生還のサイン…というお約束をブチ破るバッドエンド(というお約束)。殺されたのか?取り憑かれたのか…?でもみんな死んだあとに取り憑かれても、手持ち無沙汰感ハンパない。 【K&K】さん [DVD(字幕)] 6点(2024-06-01 17:51:05)
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