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《ネタバレ》 ~The Terminator~信号回路の終端抵抗。無機質でカッコいいネーミングだ。
レンタルビデオ屋に並ぶシュワルツェネッガーのポスターたち。コマンドー、ゴリラ、近くプレデターってのもやるらしい。そして人気急上昇の彼を、一躍ヒーローに押し上げた作品こそ、このターミネーターだ。 …という認識だったが、詳しい友人の話を聞くと、このターミネーターは悪者ロボットらしい。そして主人公は別の人で、シュワと戦って死んでしまうそうな…なんかイメージと違う。 初見は日曜洋画劇場だったと思う。そんなにお金の掛かっていない映画なんだけど、とにかく衝撃だった。 主人公カイル・リース。未来からただ1人、援軍も武器もなく、無敵のサイボーグから1人の女性を守るためだけに、身一つで過去に来た男。どこか影があり、疲れ切った表情を見せつつも、絶対不利な状況でも諦めずに戦うカイルは、今までのヒーローとは違う魅力を見せてくれた。 当初はシュワの活躍に期待していたが、物語が進むうちに、カイルとサラの逃避行が成功するように、祈るような気持ちで観てしまった。皮膚が破損し、焼かれ、骨だけになっても襲ってくるターミネーター。最後自分の身を呈してサラを守るカイル。自己犠牲。こんな悲しい結末ってあるだろうか?スカッとするSFアクションを観るつもりだったのに、私には最高に悲しい恋愛映画に映った。 同姓同名殺人事件に巻き込まれ、友達まで殺され、一方的な被害者だったサラ。当然ながらカイルの突飛な話は信じられない。一番安全なハズの警察署さえ襲う殺人鬼から自分を守ってくれるカイル。信頼関係と愛情の芽生え。終盤ボロボロになったカイルを鼓舞、最後は自らターミネーターにとどめを刺す。最初ドン臭い普通の女子大生で、守られるだけの存在だったサラが、最後は銃を手に嵐が来る未来へと旅立つ。こんな絶望的な結末ってあるだろうか? …余談だけど最後サラが南米に行ったのは、唯一生き残った(ハズの)家族、イグアナのパグちゃんを安全に逃がすためだろうと推測。 ノストラダムス、マッドマックス、北斗の拳…当時小学生だった私たちにとって、数年後の世紀末に核戦争とかで地球が滅びるのは当然の出来事で、避けられない確実な未来だった(半分本当にそう思ってた)。 核戦争が起きるキッカケは諸説あったけど、米ソの対立ではなく、コンピューターが人類に対し戦争を始めるという、ターミネーターの設定はリアリティーがあった。2029年にもなれば、人間そっくりなサイボーグはもちろん、タイムマシンの一つも出来て当然だろう。って。 カイルは死に、世界は近い未来滅びる事は変えられない。だけど小さな希望(ジョン・コナー)は守りきった。 悲しい結末なのに何度も見直してしまうこの作品の魅力。何十回、何百回と観ているうちに、そのうちカイルが生還する結末(タイムパラドックスだ)にならないかな?って、気持ちで観てたこともあったな。 いつまでも大好きな映画。 【K&K】さん [地上波(吹替)] 10点(2021-07-31 23:38:20)(良:1票)
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