ガス燈(1944) の K&K さんの口コミ・感想

Menu
 > 作品
 > カ行
 > ガス燈(1944)
 > K&Kさんのレビュー
ガス燈(1944) の K&K さんの口コミ・感想
作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 “Gaslight”邦題まま。ガス灯の街灯は国内でも限られた場所でしか見られないけど、もっと灯がゆらゆらしてるもんだと思っていたわ。
また、相手を自分の思うままに操るために、相手の記憶や正気に疑いをもたせるような、些細な嫌がらせをする心理的虐待を、“Gaslighting”『ガスライティング』と言うそうな。この作品と、元になった同名の演劇から、'70年代に生まれた言葉だそう。公開当時はこの心理的虐待を、なんて呼んでたのかな?

映画ではポーラ側の視点となるけど、ブローチ紛失や手紙の行方など、グレゴリーのやってることが、かなりえげつない。客人を追い返し、落ち込ませ、急に外出しようと言い不安にさせ、サプライズだとホッとさせ、大喜びのところを絵が無くなったと叩き落とす。今で言う“モラハラ”だ。更に追い打ちを掛けるように家政婦に確認。この時代にここまでネチネチした“モラハラ”を題材にした映画(演劇)を創る懐の深さが凄い。

一方でグレゴリーの目的が宝石強盗(泥棒?)で、それを成すための執拗な『ガスライティング』だった。というのがこの物語の顛末だけど、アリスの姪と結婚して、宝石のある家に住むことも出来たなら、ポーラに対し、そこまで回りくどい嫌がらせをする必要があったのか疑問。消えた手紙と、元から無かった手袋の片方。出来過ぎにも思えるけど、一本のサスペンスとして上手に伏線を回収出来ていた。
ただもちろん、この映画の見どころはサスペンスの結末(オチ)ではなく、徐々に精神的に追い込まれ、弱っていくイングリッドを愛でる映画…なんて少々悪趣味な気もするけど、そっちだと思う。
最後助けを求めるグレゴリーに、立場が逆転したポーラが突然まくしたてる展開にはビックリ。「おやまぁ!」って感じ。
印象深い顔つきのナンシーが、若きジェシカおばさんだったのにも驚き。
K&Kさん [DVD(字幕)] 6点(2023-10-23 22:42:11)
K&K さんの 最近の口コミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2025-03-30死霊の盆踊り0レビュー0.76点
HACHI/約束の犬7レビュー6.67点
ザ・カー5レビュー6.06点
2025-03-26ベイビー・ドライバー7レビュー6.81点
2025-03-2417歳のカルテ6レビュー6.99点
2025-03-23ミツバチのささやき7レビュー7.56点
2025-03-23パプリカ(2006)6レビュー5.78点
2025-03-23かがみの孤城8レビュー7.35点
2025-03-11ブルーサンダー7レビュー6.76点
2025-03-11太陽の季節5レビュー4.33点
ガス燈(1944)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS