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《ネタバレ》 “Furiosa: A Mad Max Saga”『フュリオサ:マッドマックス世界の一つの物語』。…敢えてクドく訳してみましたが、タイトルのマッドマックスは抜くか、サブタイで活かすかして、邦題は『フュリオサ』で良かったんじゃないでしょうか。
前作で曖昧だった(と思ってた)123と怒デスの時系列を、本作で「世界が滅んで45年後」と明言されてました。前作のトム・ハーディ演じるマックスって65歳以上には見えなかったので、怒デス以降は別世界のマックス…って事になるんでしょうかね? 前作でマックスとの冒険を観た後に、フュリオサの歩んだそれまでの道を辿る。腕、髪型、おでこ、トレーラーといった、フュリオサのフラグを回収していく構成は、スター・ウォーズの外伝『ハン・ソロ』に近いと思います。でもフュリオサにはハン・ソロほど固定イメージが湧いてない分、素直に受け入れられるんじゃないでしょうか? さて、フュリオサが少女から戦士になるまでに、結構長い尺を取っています。たくましいシャーリーズ・セロンに代わり、フュリオサ役はアニヤ・テイラー=ジョイです。目がデッカイですね。男も女も人間の目の大きさってほぼ大差無いそうですから、彼女めっちゃ顔が小さいんでしょう。…チッ そして戦士と呼ぶには身体が細っそい気がします。これは世の中のニーズでしょう。'90年代くらいまでは、アクション女優は鳩胸でグラマラスな女優さんが演じてましたよね。前作の筋肉質なシャーリーズの繰り出すパンチとかには、重さと説得力があった気がします。今はCGのお陰でしょうか、マーベルとか観ていると、アニヤのような華奢な子のアクションでも、迫力満点に撮ることが出来るようになりました。序盤の誘拐シーンに結構な長尺を使っていますが、線は細くても筋肉質で引き締まったアニヤ母のアクションは、中盤以降のアニヤのアクションに説得力を持たせるためでしょう。 悪役はクリス・ヘムズワース演じるディメンタス。よく喋るこの男は、トーカッターやヒューマンガスとは雰囲気が違います。旧悪役には、野良犬やライオンのような、言葉や駆け引きの通じない、野生動物のような恐怖を感じました。前作イモータン・ジョーにも、ヒトという動物の醜さを感じました。その野生動物の部分に、リアリティと恐怖と、抵抗できない謎の魅力までも感じてしまいました。 でもディメンタスは、最初から“魅力ある悪役=憎みきれない悪役”として創られているように感じました。そう、マーベルとかの影響で、割と最近耳にするようになった『ヴィラン』という類の悪党に思えました。ディメンタス=ヌルい悪役って雰囲気に感じられると緊張感が感じられないので、敢えて長時間の残酷な処刑シーンを入れたのかもしれません。マッドマックスの悪党の最後はアッサリが基本です。だって野生動物だもん殺せる時に殺さなきゃ。 フュリオサがトレーラーに乗る中盤以降は、きちんとマッドマックスです。怒デス同様のド派手なアクションを、期待通り楽しめます。148分とシリーズにしては長尺ですが、長さを感じさせないメリハリのあるアクション映画でしたよ。 【K&K】さん [映画館(字幕)] 7点(2024-06-16 02:09:51)
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