ミッション:インポッシブル の K&K さんのクチコミ・感想

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ミッション:インポッシブル の K&K さんのクチコミ・感想
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《ネタバレ》 -MISSION: IMPOSSIBLE-“任務遂行不可”
『往年のTVシリーズを現代のセンスと映像技術でリメイクする映画』の走りであり、成功例の筆頭だったと思う。スパイ大作戦は一度も観たことがないけど、このテーマソングと「自動的に消滅する」テープ。「おはようフェルプス君」って言葉はこち亀なんかで読んで覚えていたっけ。導火線とともに流れる印象的なテーマソングを、余計なアレンジを加えずに、絶妙にアップデートして使っているのがカッコいい。

東西冷戦が終わり、スパイが大活躍する場を失った時代に作られたこの映画。あの当時とは世界が変わったってことが実感できる。機密書類を小型カメラで撮影し、マイクロチップに隠す時代から、パソコンからMOディスクにコピーする時代に…こう書いてると、あぁもう四半世紀も経つのかって実感。コワモテ顔の大柄な黒人が名ハッカーって、ハリウッド映画あるあるな設定は、この映画から始まったと思う。
かつてのリーダー・フェルプス君も歳を取って登場。主役級のエミリオ・エステベスがカメオ出演。このチームも時代を跨いで活躍してきたんだろうなって感じさせる。そこでいきなりチーム全滅という、シリーズのお約束をぶち壊す意外性。一方で徐々にスケールが大きくなる構成は、TVシリーズの映画版らしく、私のように初見の者でも予備知識無しで楽しめる。

イーサン・ハントの宙吊りシーンは映画史に残る名シーン。地面スレスレの“あのシーン”を初めて雑誌の写真で見た時は、トムが何をしてるのか解らなかったけど、実は予定外のピンチに陥ってるシーンだった事実。CIA本部侵入は素人考えでも不可能に思えるところ『ハイテクにはハイテクで勝負』かと思いきや“人力で宙吊り”という案外ローテクで対抗する意外性。メガネを伝う汗の一滴にあれ程の緊張感を持たせる観せ方。火薬の量の大小だけがアクション映画の迫力・スリルと比例しないことを観せてくれた。イーサンに銃を撃たせないのも斬新。
全体的にアクション映画としては地味めだけど、スカッと派手なTGVの高速アクションを最後の山場の持ってくるのはアクセントとして効果的。そして〆はスパイ引退を決意したハントに届けられるビデオテープ。TVシリーズのフェルプス君から映画版のハント君に、一本の映画で世代交代。単体映画として完結しているし、このクオリティならシリーズ物として続くことも期待できる。観終わった後の満足感が凄い。

余談だけど初見時、フェルプスが撃たれるのが自作自演ミエミエで、生きてたことに一切意外性を感じなかった。これは友達数人も同意見だったわ。当時は撃たれるシーンの銃の角度が変。あとイーサンが見る悪夢で出してしまったのも…って結論だったけど、もう一つ、TVシリーズを意識したオープニング(本編のシーンを高速で流す)で、橋でフェルプスが撃たれるまでに出てないシーン(服装も違う)が、脳内に無意識にインプリンティングされた結果かもしれない。
K&Kさん [映画館(字幕)] 9点(2022-04-10 13:27:17)
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