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《ネタバレ》 “A Beautiful Mind”『非の打ち所のない偉人』でしょうか。ナッシュの病状を考えると、何とも皮肉なタイトルです。
劇場で観た時、ハーマンやパーチャーの正体を知った時はそりゃ驚きました。この映画のキモが彼らの正体ではなく、その後のナッシュの葛藤にあるため『そこからが長いな』って感じてしまったのも事実です。 さて今回2回目の鑑賞、オチ(という言い方は相応しく無いと思うけど)を知っているので楽しめるか疑問だったけど、初見で観えてなかったところに目が行きます。ハーマンとのビリヤードで友人が「誰とゲームしてるんだ?」って会話も、初見時は『見たことない奴だけど』って脳内で補完して観てたんでしょう。 可愛いマーシー。公園で鳩の周りを走り回るけど、一羽も飛び立たない画の不気味さ。あんな不自然な画なのに、初見時何とも思わなかったんだな。これって、ナッシュの病状=統合失調症を擬似体感してたんだ。って、2回目の鑑賞でわかりました。 ナッシュはマーシーが「小さいままだ」って気がつく事から治療が始まります。実際どうなんでしょうね?そんなヒントに気が付けるのか、それとも脳内で勝手に補完してズブズブとハマっていってしまうのか? 幻覚だと解ってからの彼らとの付き合い方。病気の最中は3人ともそれぞれ魅力的に、ナッシュに刺激を与えてきたのに、治療が進むごとに徐々に話し掛けなくなっていく3人。彼らのしょんぼりしてるような姿がとても印象深い。アリシアの献身的な愛情、ライバルだったハンセンの利害のない友情がナッシュを支えてきた事も清々しい。そして“尊敬の証のペン”。あれだけ日常生活に浸透していた幻覚と闘い、研究を続けたナッシュ。タイトルの通り偉人と言えるでしょう。 【K&K】さん [映画館(字幕)] 7点(2023-04-28 20:28:22)
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