マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ の K&K さんのクチコミ・感想

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マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ の K&K さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ
製作国スウェーデン
上映時間101分
劇場公開日 1988-12-24
ジャンルドラマ,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 “My Life as a Dog”『僕の人生は犬同様』。
イングマルは他の子と比べても、性格もやる事も幼い印象を与えます。兄のせいもあるけど、子供らしい失敗やイタズラが病弱なママを苛つかせます。時間が経つごとに、自分が成長するごとにママの病状は悪化していく。でもちょっぴり大人なカエルちゃんはグイグイ誘ってくる。
田舎に行ったら風変わりな人がいっぱいいた。みんながイングマルを暖かく迎えてくれる。そして今度はサガがグイグイ誘ってくる。美女の裸をのぞきはしても、直接的な性に興味を示さないイングマルは、これ以上成長することに怖さを感じていたのかも。時間とともに病状とイライラが悪化するママ。幼い頃の優しかったママを思って、子供なりの抵抗をしていたんじゃないかな?

母が亡くなり、再び田舎へ。でも時間は経過して、田舎の事情も大きく変わっていました。隣人アルビドソンさんは亡くなり、今はギリシャ人家族に。「家が狭いので寝る時は叔母さんの家へ」厄介者のような扱いに心を痛めるイングマル。サガもより女の子として成長していました。成長していないイングマルに残された“当時と変わらないもの”が愛犬シッカンの存在。でもシッカンは既に殺処分されたのは薄々わかってます。サガの自分への愛情もわかってます。犬のマネで、幼稚にその場をはぐらかそうとしたんでしょうか。シッカンの死をサガに突き付けられたイングマルは、精神的に追い詰められ、あずま屋に閉じこもる。本当にライカ犬のように。
後半の2人の本気ボクシングの場面で、サガってのはあだ名でフロイドが実名だと勘違いしました。そして最後の方、イングマルとフロイドの試合がラジオで掛かってて「え?2人が本当にボクサーに?」って勘違いの上塗りを…

スウェーデンの映画です。よく知らなかったけど、このスウェーデンって国、大戦中はドイツにもイギリスにも組みせず終戦まで中立を維持。戦後も西側諸国と交流をしつつも、ソ連を刺激しないようNATOには加盟しなかったんですね。
映画の舞台は'58年から'59年、この年代は近代スウェーデンがもっとも輝いていた年代です。日本で言えばおそらく'64年東京オリンピック前後でしょうか?'58年、劇中のラジオで掛かっていた自国開催のサッカーワールドカップで、史上最高成績の準優勝をしています。そして翌年、ボクシングでイングマル・ヨハンソンがフロイド・パターソン(米)を破りヘビー級王者になりました。映画には出てきませんが、この時ボルボが世界初の3点式シートベルトを開発し、この時サーブが世界最高速の実用戦闘機ドラケンを創りました。…ちょっと脱線しましたが、イングマルという名は、輝かしいスウェーデンの象徴と思っていいと思います。日本で言えば、今なら大谷翔平。当時なら力道山とかでしょうかね?
サガを友達から女として受け止め、子供から大人への一歩を踏み出したイングマルを、世界に羽ばたいていった当時のスウェーデンと重ね合わせた映画なんじゃないでしょうか?「スウェーデン万歳!」
K&Kさん [ビデオ(字幕)] 7点(2024-10-21 08:44:34)《新規》
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投稿日付邦題コメント平均点
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