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《ネタバレ》 序盤から光と影の使い方が効果的。深い影と強烈な光に浮かぶ暗殺前の藤子の肌の色。
足元を反射させる黒光りする床。俯瞰から入る妾の暗殺場面の生々しさと印象的な音楽。序盤との対比で入る、暗殺後の藤子の顔。 弟を逃がすために着物を脱いで戦う佐代の妖艶さ。胸元の汗と流れ落ちる真っ赤な血。この映画は女の描き方が妖艶で美しい。 必殺の“三絃の構え”は神秘的。だけどおそらく実用的な技ではなく、相手の戦意を奪う“はったり技”だったと解釈。 控室で襲い来る主水に、三絃の構えで梅の枝を故意に斬らせ、鋭利になった枝先で主水の胸を突く(この時の技は三絃の構えではない)。もちろん信吾の剣技実力は高く、この技がなくても強いけど。 殿を探す際、広い城中を駆け回る信吾。ここでも俯瞰撮影を多用していて見ごたえがある。 ただ父との再会や、新しい主君との関係、殿が命を狙われる理由、最後の切腹と、どうにもこの映画の目玉、伝えたいことが見えてこない。 序盤以降の、ほのぼのとした家族との暮らし。優しい養父とお殿様。お転婆な芳尾はこの映画の清涼剤だけに、この路線でずぅっと行ってほしかった。 時代を感じさせない映像の美しさはかなりのもの。上映時間の短い作品なので観易いと思う。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2021-11-17 01:42:05)
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