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《ネタバレ》 “All About Eve”邦題まま『イヴについての全て』なんだけど『総て』って所が良いね。
華やかな授賞式。面白くない顔のゲスト。薄汚いコートと変な帽子の可愛い少女が女優として成功するまでの、朝ドラみたいなシンデレラ・サクセス・ストーリー…にしては、イヴの気持ち・内面が語られることは無く、マーゴやカレン側から観たイヴが語られていく。 やり過ぎ感のある誕生日の祝電や代役の一件で、マーゴとの気持にズレが生じたのでなく、出会った最初からイヴの策略だったのは、やっぱり恐ろしい。 「カズウェルの事など誰も覚えちゃいない」と言わせるほどの演技力と、「子供のやることにイチイチ目くじら立てるなんて」マーゴにはない若さという武器を駆使して、世話になった周りの人たちを踏み台にしてのし上がっていくイヴの内面の醜悪さをまざまざと観せてくれた。 徐々に剥がされる化けの皮。レストランでカレンに取り入り、いよいよ本性を曝け出す。最初の頃の純粋な少女の面影はなく野心に燃える女の顔だ。黒いドレスもイヴの裏の顔を表しているよう。 腹黒いイヴがドウィットを取り込もうとして、逆に身辺調査結果で追い詰められるのはスカッとする。でもドウィットももっと腹黒いな。裏側を知るだけに授賞式の感謝を述べるスピーチの白々しさがハンパない。白いドレスを着たドス黒い名女優。 ホテルの部屋に忍び込んでいたフィービー。合わせ鏡に映る無数のフィービー≒将来のイヴたちが、今後は様々な手を使ってトップの座を目指して挑戦してくる。手に入れた名声と孤独。心を許せる話し相手のいないイヴは、フィービーがどれだけ腹黒かろうと、魂胆が見えようと、近くに置くしかないんだろうな。 定価500円とかの安いDVDは字幕がダメだね。英語の教科書読んでるみたい。 【K&K】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-09-09 13:30:28)
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