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名作だと思う。でも重い。こまごまとしたシーンに泣かされる。他の方も書いているように感動の涙ではない。あまりに理不尽で救いがないように感じながら見ていたが、最後の「私たちがそうさせない限り、最後ではない」が救いなのだろう。エルマの生きる目的は、ジーンに手術を受けさせること、自分が今まで味わってきた思い(大好きなミュージカルを諦めなければならないことも含めて)を絶対に味わわせないこと、これだけに集中していたのだと思う。これがどれだけ大切なことかは本人にしかわからないし、それだけに固執しているからこそ見ていて歯がゆい。これは親子愛とかではないと思う。そうしなければ自分に納得できないのだろう。だから自分が殺人犯として処刑される、または自分がいなくなることで息子がこうむる悲劇については鈍感で、ジーンが手術を受けたと知れば、冷静に死を受け入れている。これで本人は救われたのかもしれないが、見ている側には「これでいいのか?」という疑問は残る。ただ私にはエルマが人ごととは思えない。現実離れというより、理不尽で奇妙な現実の姿を見せつけられた感じがする。次々に色が塗り重ねられて変化していくオープニングが、この映画を象徴しているようでよい。
【さつき】さん 9点(2002-05-25 20:37:30)
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