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「荒野の用心棒」のイメージそのままに「ダーティハリー」で男の美学を真正面から見せてくれる。冒頭、エンジンをかけたままの車に事件の気配を感じたハリーが食事もそこそこに非常ベルの音に促され、店を出てマグナム44を構える場面から一気に引き込まれる。それまでの映画には無かった拳銃の音は、以後の映画や劇画にはかりしれない影響を与えた。体の大きなイーストウッドが両足を踏ん張って構えるのだから、その破壊力は凄まじいだろう。ラストで犯人が吹き飛ばされるのもうなずける。ここでは、マグナムは正義の象徴として描かれているのだろう。闇夜に消えていく誘拐犯に向かって、傷ついたハリーの放つ銃声が響くシーンは混迷した社会へ打ちこむ正義のくさびのようにも聞こえる。家へ帰ったハリーが明かりもつけず、ビールとハンバーガーの簡単な食事をとる姿。男の美学である。自立した男は独りで闘う。そして優しい。
【天地 司】さん 10点(2002-09-10 15:59:48)
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