1.《ネタバレ》 実際に観てみると、市中に流布しているものより更に詳細なあらすじを丹念にここに記載したならば、ワリと結構観たくなっちゃう人が大勢居るのではないか…と思われる様な作品なのです、が個人的な結論としては、やっぱそんなに皆で観なくても好いかな…(今さら…)と思っちゃう程度の作品だったとも思われるので、いったんそーするのは止めておきます。
とは言え内容は、相変わらずのタブー全開!悪趣味全開!の冒涜的・背徳的・挑発的(⇒人間世界のあらゆる善なるモノに対して)なトンデモ映画ではありまして、ただ第一に、申し上げておきたいのは(それでも)かなり観易いコメディではある、というコトですかね。シュリンゲンズィーフの作品としては最も著名な3作品のラストを飾る作品であり、だから映画技術が単純に向上してる+そこそこ予算も付いている、というコトだとは思えるのです、が何よりも、話がしっかりしてるワリにテンポも全然好い+下手にホラーやグロを前面に押し出さずに(=スパイス程度に留めて)本質的には(ド級の)お下劣コメディに徹してふざけ倒している、という点で特に上手く仕上がったのかな、と思いますね。再度、系統としては、パゾリーニの『ソドムの市』とかジョン・ウォーターズとか、しかし気取ってアートにしてる…なんてコトも全く無いトコロにはピーター・ジャクソンの『バッド・テイスト』とか『ブレインデッド』とかの様なノリの好さも多分に感じられ、更にそのノリとコメディの齎すハチャメチャ感からはまたクストリッツァをも(少しダケ)彷彿とさせられる…様な、再び個人的には正直、もう少しダケは本邦におけるポピュラリティを獲得していても好いって作品かな…と思われましたですね。機会が在れば…
ただし一点ダケ、肝心なオーラスの流れの部分は、コレも多分「敢えて」なコトだとは思えども、ちょっと流石にチープとゆーか肩透かしとゆーかココをソコまでと同様に(ボリュームも備えた上で)ふざけ切って居れば…と残念に思ってしまったのが正直なトコロでして、なのでそれを鑑みて評点は1点下げて、何となく更に1点下げてこの評価としておきます。まあ、根本的に点数が映画の価値をダイレクトに表し得る…という作品では決してないコトも前提として捉えて頂ければ、とも思いますケド。。。