1.《ネタバレ》 車で言い争ってるうちに事故って妻が死に自分だけ助かって…という序幕はなんだ、まんま「ヘルレイザー リターンオブナイトメア」じゃんか。
そんで、微妙にずれてる現実と、おぞましい幻覚部分はもろに「ジェイコブズラダー」である。首ふりオバケまでパクってるしさあ。
こういうわかりやすい冒頭を見せておいて、「ああー、またしてもいまわの際の夢オチか、もう飽きた」と思っていると…んん?
ねちっこい刑事が現れて、なんだか非常に重要な事を口走るではないか。それでまた、エリッサの姉のキャリーの態度というのが…。2回目のキャリーとの会話でほぼ謎が解けるようになっている。
まあこれは…途中まで意図的に「ジェイコブ落ち」の気配を濃厚に出しているために、それなりの裏切られ感はある。
この映画の中では主人公のベンと他の登場人物が必ず「一対一」で描かれている。誰とでも常に「サシ」で話してる。例外は刑事部屋の事情聴取と2回目の交霊だけ。なのでどれが妄想でどれが現実か、観客は自由に推理を凝らして楽しむ仕掛けになっている。
それで一応私の推理では、ベンの部屋に現れる人物で完全にベンの妄想であるのはエリッサのみ。エリッサが実際は死んでいない証拠はマネージャーがベンを「哀れに思って」おり、ベンに復讐する気配が無く追い払いたいだけであることから。
蟻は飼わなくてよかったと思うなあ。意味不明だし。
あと、真実が分かったあとでは、中盤までのベンが妻を亡くした男として堂々ふるまっていたことが非常におぞましく感じますね。もしも身辺にこういう人がいたとしたら…妄想はあなどれないぞ。やばい。
フェロモン度はゼロであるがイギリスでは正統派のスターだというコリン・ファースがこんなドロドロ男を演じるという、もしかしてそれじたいがすでに「オチている」ことになるのかも?(コリン・ファースが正統ハンサムなことも疑問であるが)
ラストの挿入曲が印象的。