2.《ネタバレ》 これは、入っていないだろうとタカをくくって検索したら…すばらしい。さすがにここのレビューです。
この作品を登録されたレビュワーさんもおっしゃるとおり、邦題のセンスには、おどろきを通り越して、「マニアしか借りないように仕向けているつもり?」との作為すら感じます。まあ、フツーの客は、見ないよねえ。特に、女性の視聴率は果てしなく低そうだ。私のような、物好きぐらいに違いない。
しかし、これは、エグさを売りにしたスプラッター映画ではなかった。
フランスの若手新鋭アーティストが集まって、仲良く作った低予算映画、である。どうやら、主演のカルロなど、ノーギャラらしい。
ジョルジュという、むなしい中年男の崩壊した行動を追った作品。フランス映画らしくラストは辛口。(もうひとつのエンディングのほうが、納得がいくけどもなあ)
私としては、クリスティーヌがいつ反撃に出るのかと期待していたのだが…そういうことだったのね。
日頃から虐待慣れしていたM女であったため、トランクに飼われるという有り得ない生活に。
おまけに、ジョルジュは娘だけは可愛がっているのかと思いきや、ここでも予想に反し…。
予想を裏切り続ける、という点では、これは秀逸な脚本といっていいのでは。
ジョルジュが冒頭で突如として他車を襲撃した動機づけをはっきりさせないことといい、クリスティーヌがシモンを退治したことといい、不条理にしたいのだ。強引にすぎるが。「なぜ」でなくて「どうなるのか」を見る作品だ。
妻がすごいですね。倦怠期の妻というのは、ここまで夫を罵るものでしょうか。特に問題があるようにも見えないのに。フランスの女の人って、こわいですね。
あと、クリスティーヌ役の女優さんが、フランス人なのにあまりにも胸が無いことに驚く(テデスキさんとかを見慣れてしまったので)。
低予算のわりには、まともな作品です。あまりにもひどい邦題のせいで、見てくれる人が少なそうなのが、残念なくらいだ。次作にも期待したいですね。