1.《ネタバレ》 主人公が能登に行って起きるあれこれの描写が、いちいち陳腐なんですよね。最初のハイヒールバキッのところで大体想像できてしまいますけど、その後も、お茶とコーヒーがどうとか、料理の捌きがどうとか、キノコの種類がどうとか。●で、クライマックスにキリコ祭りを持ってきてはいるのですが、これの描写もまったく凡庸で。大体、およそ祭りとは地域の理解なくしては成り立たないわけで、反対論圧倒的多数の中で勝手に開催前提で走るって、ありえないですよ。火事が起こって小屋ごと消失するとかいう下らない危機を出す暇があったら、どうして、汗を流して反対論の人を1人1人口説いていく過程を描かないの?チラシもポスターも電話がけも、それからの話ですよ。そして、何年ぶりかの開催であるという設定にもかかわらず、いざ始まりのときの整列の瞬間、担ぎ上げの瞬間、動き出しの瞬間も撮らない。制作側自身が祭りの表層しか見ていないことが露呈してしまっています。