1.《ネタバレ》 鶴田浩二、高倉健、丹波哲郎の三大スター共演で、香港を舞台にしたギャング映画。
ところが、前半40分を経過しても、高倉健しか出てこない。
他の二人が出てこないのだ。
そうしている間に、高倉健演じる主人公らしき人物は、撃たれて死んでしまった(!)。
なんてことだ。
その後に、鶴田浩二と丹波哲郎が登場。
おいおい!
三大スター共演っていったって、三人が一緒に出てこないじゃないか!
なんか騙された気分。
それはそうと、冒頭の高倉健が出てくるパートは、とても面白かった。
香港のダウンタウンを舞台にして繰り広げられる、ギャング間の白い粉と金の争奪戦。
いかにも石井輝男作品といった風情のBGMが流れ、興奮と期待が高まった。
そこでいきなり主人公が撃たれて死んでしまい、舞台は日本へ。
ここから一気につまらなくなった。
冒頭の高倉健が出てくる部分の雰囲気が、最後まで続けば間違いなく傑作となったであろう。
本作が石井輝男作品の代表作とは言われてない理由はそこにあるような気がする。
後半の尻すぼみが無ければ、石井監督の代表作と言われたに違いない。
それだけに不満が残る内容だった。
それにしても、鶴田浩二演じる男が、シャブ中だとは思いもしなかった。
ラストも丹波が生き残り、しかも刑事だったというオマケ付き。
なかなか面白い内容なのだが、やっぱり後半がどうも間延びしていた。
あー、もったいない作品だ。