21.ミュージカルとしては、あの、その、まあ、何ですね、歌がやや苦手そうな方から、かなり苦手そうな方まで、イロイロと出演されておりますが。 ドラマに挿入される歌(懐メロばかり)と踊りが、ドラマの一部になってはおらず、むしろ「コイツ何やってるんだ」と周りが引いてしまっているのが、パロディめいていて。 もっとも、それを言い出すとすべてがパロディじみていて、少々悪乗りが過ぎる部分もありますが。主人公が周りにツッコミを入れるだけならまだしも、高校生役の伊原剛志が自分をオッサンと認めたりヅラかぶってる事を認めたり。そりゃそうなんですけどね(笑)。 しかし、それらのデフォルメされた登場人物たち(武井咲演じる早乙女愛の、この鬱陶しさたるや。絶品です)が、ドラマの中にピタリピタリと的確に配置されており、バカバカしいと思って見ていたはずが気が付いたら妙に納得してこの世界を受け入れている自分がいて。 ミュージカル部分がドラマの中で浮いているように、斎藤工演じる岩清水クンはこの物語の中で完全に浮いているのですが、ラストで彼が床の血痕を目撃したとき、まさに彼はそれを目撃するためにこそ存在していたこと、だからこそこの物語に不可欠の存在であったことを思い知る訳で。 映画全編、ガラ悪そうな人たちのドツキ合い取っ組み合いの連続ですが、スローモーションを交えるなどの変化をつけ、見せ場も盛り沢山。 しっかしコレ、PG-12らしいんですけどね。子供に何を指導しろってんですかね。見りゃワカルと思うんですけども。 【鱗歌】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2020-03-22 21:07:20) |
20.まさか、あの 「愛と誠」 が、ミュージカルになっていたとは! 露知らず! 困惑.. 観始めたからには最後まで..と思い、鑑賞..70年代にヒットした、梶原一騎 原作のリメイク作品..何で今さら?って思っていたので、これはこれでアリかな..と変に納得..ストーリーは記号化され、パロディっぽいオーバーリアクションに、決められたレールの上を足早にどんどんと進んで行き..クライマックス、そして完結..単純に、この作風がツボにハマらなければ、ただのゴミ映画..残念ながら、観る人を選ぶ作品.. 私的には、妻夫木聡 と 武井咲 のコンビが、意外とハマってたかな.. 斎藤工 と 大野いと は、ミスキャスト.. 伊原剛志 も 微妙..でも「狼少年ケン♪」は笑えた..(そこをチョイスするかぁ〜 ってね、笑) 【コナンが一番】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2016-11-30 01:30:24) |
19.これは これで結構アリです。 もしかしたら制作者は愛と誠もミュージカルもあまり思い入れないんじゃないか思いました。 なんか素材から距離を置いて突き放した目線で作っているような感じです。 なんか原作マンガの歯の浮くようなセリフや展開を、もっと浮くようにしたり、ミュージカルの急に歌いだす違和感をもっと強調したりして、見世物にしているようです。だから愛と誠とかミュージカルがそんなに好きじゃない私も楽しめたのかもしれません。原作ファンには嫌われそうですが。 それと劇中の数々の昭和の楽曲のあと、流れるエンドロールの「今」の曲が、ひどく劣化していて、「今」を生きてる身としてはなんか寂しいです。 【紫電】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2016-09-28 21:48:25) |
18.《ネタバレ》 実際にコミックスを手にした事は無いという自分ですら「タイトル」「あらすじ」「主要人物」「名台詞」「ラストシーン」くらいなら聞きかじりで知っているという、有名漫画の実写化。 まさかまさかのミュージカル構成には驚いて、主人公の誠が唄いながら喧嘩を始めた時には「これは傑作か!?」と、大いに興奮させられましたね。 けれど、もう一人の主人公である愛が唄う「あの素晴しい愛をもう一度」の時点で(もういいよ……)と、食傷気味になってしまい、後はひたすら満腹状態。 我ながら飽きるのが早過ぎるよなぁ……とは思うのですが、そのくらい「濃い」味付け、演出だったのですよね。 「君の為なら死ねる」などの名言が飛び出した時には「おっ」と身を乗り出しましたし、格闘シーンが同じ三池監督の「クローズZERO」を彷彿とさせる辺りは嬉しかったのですが、それも一過性の感覚。 「ガムコは可愛いけど、大筋に絡んでこないなぁ」 「由紀の生い立ちの件だけが陰鬱過ぎて、バランス悪い」 等々、見方を変えれば長所と言えそうな部分まで短所に思えてしまったりして、どうにも相性が悪かったみたいです。 それでも、終盤の台詞「気が変わっちまったよ、おふくろ」からの、一気にシリアスな結末へと向かう流れには、流石と思わせるものがありましたね。 やっぱり、決めるべきところは決めてくれるんだなと、監督の力量を改めて感じさせてもらいました。 【ゆき】さん [DVD(邦画)] 5点(2016-07-27 10:54:10) |
17.なんじゃこりゃ、パロディ?ふざけたラブコメミュージカルだなと思って見てましたが、物語が進むにつれてこの世界観にしっかりハマってました。誠が強そうなワルに少しも見えませんでしたが、ラストも良かったしなかなか楽しい映画でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-01-16 21:46:32) (良:1票) |
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15.《ネタバレ》 愛と誠と一青窈。 愛と誠と糸と工。 繰り返しで二度見しました 面白かった。ただし、MVPには武井咲も捨てがたいが、安藤サクラという方針で。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-12-21 22:29:01) |
14.原作や旧作は全く知らない状態で鑑賞。最初から歌いまくってるけど、シュールさ(伊原剛志の「ワオ!」が最高)と昭和音楽の懐かしさでミュージカルパートはそれなりに楽しかった。ずっとこの調子で行くのかな? まあ、それも悪くないかな…と思っていたが、さすがにそうはならず、だんだんミュージカルパートは減少。それに比例して映画の面白さもダウンしていった印象。真面目にやると時代にそぐわない感じだから、もっとふざけ通しても良かったんじゃないかと思う。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-12-04 18:05:16) |
13.大の原作ファンでありまして、敬愛する『愛と誠』を現代においてアノ三池さんが監督されるというニュースの段階で心が既に折れていました。公開が迫り宣伝や予告で多少の部分は見えてきた時、予想以上の創作・コメディタッチのミュージカル仕立に更に驚愕したのですが、人間の好奇心というものは恐ろしいもの、確認せずにはいられませんでした。やはり後半の壮大なお話部分は無理でしたね。そういうラストにしたか、という感じ。でも終始こんなにコミカルな早乙女愛では誠が最後に受け入れる意味が通じない気がしました。残念。武井咲さんの演じる早乙女愛はビジュアルは良かったのになぁ。『愛と誠』でなければ面白いオトボケお嬢様でしたよ。あと、お母さんの部分やってくれるなら、捨てられた理由の所も簡単に描いて欲しかったな。歌のフルコーラスとケンカシーンも長過ぎた。それを歯切れよくしてくれてたらもう少し楽しめたかも。全体的には現代見るには仕方なかった処理なのかと後半になって思えてきたのでプラス1点してこの点。さ、お口直しに久々に原作読もっと。 【movie海馬】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2014-03-30 01:16:26) |
12.この監督のチャレンジ精神は嫌いではないんだけど、それが上手いこと作品とマッチしなかった時の空回り感は、見ていて痛い。ミュージカルにしても喧嘩シーンにしても中途半端。悪ふざけのノリも中途半端。一青窈の歌で強引に盛り上げようとするのもわざとらしくて褒められない。唯一良かったのは武井咲を発見できたこと。演技はお世辞にも上手いとは言い難いが、何とも言えぬ吸引力があるなと感じました。今後が楽しみである。その反面妻夫木聡はちょっとな~でした。頑張りは認めるが、誠が歩んできた心の奥深くにある怨念、情念が全身全霊を持って表現出来ておらず、形にこだわりすぎているようで、薄っぺらにしか見えなかった。まぁ演出がコミカルだから仕方ないと言えばそれまでだが、そのコミカルささえも他の出演陣に比べると、今一つ突き抜けきれていないんだよな。とにかくこの監督の作品は、当たり外れの高低差が大きすぎて、耳がキーンなるわ! |
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11.《ネタバレ》 原作が大好きで何度も読み返したので期待して観賞しました。梶原一騎の世界観と三池監督の作風が非常に合うことは良くわかりました。主要キャストのセレクトもほぼ完璧(高原由紀役はちょっと違うかなという感じでしたが)で、「愛と誠」のあの世界観を、ミュージカルという形をとることにより、21世紀の今でも受け入れやすい仕上がりにしていて素晴らしいと重いました。 ただ、あの壮大な物語をこの1本にまとめようとしたのであれば、結論的には失敗作だと思います(続編を考えているなら別ですが)。緋桜団も砂土谷峻も出てこないし、高原由紀と座王権太の扱いが薄いし、ブルジョアだった早乙女家が没落していき運命に翻弄されていくところも出てこないし・・・・・。何と言っても、個人的に日本の漫画史上最高に美しいと個人的に思っているあのエンディングが無いところが非常に残念です。 できれば、続編を作成してもらいたいなと期待しています。 【TM】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-11-23 11:06:41) |
10.《ネタバレ》 なかなか面白かったですね~。三池崇史らしい娯楽作品に仕上がってました。突然始まるミュージカル。それぞれがそれぞれのキャラの持ち味を生かした選曲で、唄の上手さにばらつきがあるんだけどその下手っぷりすらもエンターテイメントになっている。ただまぁ、ミュージカルシーンが少し長いかなっていう気もしはしましたが。全体的に、人も環境も凄くデフォルメされていて、たとえば青葉台学園の雰囲気の良さと花園実業のありえないほど荒んだ校舎の対比とか、そして絵に描いたような不良達の不良っぷりとか、そういう漫画的な面白さがまずあって、それでいてたとえばガムコの乙女な恋心とか、そういう「ギャップ」を面白く見せてくれる。そしてまたあちこちに見られる、どぎついエロ要素なんかはいかにも三池さんらしいなと思うし、格闘シーンは安定した迫力を見せてくれる。この作品は、そういう漫画的なデフォルメとギャップ、三池さんのエロとアクションという娯楽要素の塊で出来てる。ただ、前半こそユーモアたっぷりで良かったんだけど後半は話が重く暗くなる感じなので、前半の感じでずっと突っ走ってほしかったかなという気持ちはある。まぁいずれにせよ、人によって好き嫌いはあるだろうが個人的には楽しく鑑賞出来ました。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2012-11-21 21:24:04) |
9.CMで見たとき、今時、こんな昭和臭い映画見てもなぁと思ったのだが、意外に面白かった。まぁ、昭和臭いことには変わりないんだけどね。 武井咲の天然ぷっりと妻夫木聡と突っ込みがいいね。 ちなみに、原作未読、オリジナル未見です。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-11-08 00:24:30) |
8.《ネタバレ》 面白い部分と面白くない部分が混在しまくっていて、どちらとも言えない感じ。 ミュージカルっぽいシーンについては、登場人物が突然懐メロを歌って、踊りだすだけである。セリフ代わりになっているわけではない。 しかも、1コーラスだけなら「あはは、馬鹿だなー」と気持よく見られるんだが、基本2番までガッツリ唄うもんだから、「もう充分だよ…」ってげんなりしてしまうのよね。更にキツいのが、周りの人間を巻き込むわけでもなく、歌っている人だけミュージカルで、周りの人は基本ボケーっと見ているだけっていう。 アクション、暴力シーンは手慣れたものでカッコ良いシーンも多く、安定してた。でも、ちょっと演出としては抑えすぎかな、と。 劇画原作ってことで、無駄にミュージカルにして演出過多を狙うのであれば、アクションももっと「ありえねー!!」ってな感じの面白さを求めてしまった。とは言え、女子供だからと手加減せずにボッコボコにしちゃうようなシーンは今時珍しくあり、爽快であった。 色々濃いので、ぱっと見奇抜な映画に見えなくもないんだが、実は目新しい事はほとんどやっていないし、ストーリーは王道。序盤の方では、笑えるところもちょこちょこあったんだけど、早い段階で「いい加減クドイな」と冷めてみてしまった。 ツボにハマれば実は最高に楽しいのかも? 【すべから】さん [映画館(邦画)] 6点(2012-07-09 23:07:56) |
7.《ネタバレ》 原作は知らずに観賞。素直に面白かったといえる作品でした。 まず、キャラクタが濃い!これはキャスティングの勝利だと思います。また、その役者さん達の演技も抜群。特にお気に入りは大野いとさん。淡々と語るセリフの中にも狂気と悲しみが混ざっていて、雰囲気バッチリでした。岩清水役の斉藤さんのハマりっぷりも面白かったです。バトルシーンもさすが三池監督!スピード感と見せ方はさすがです。 不満な点は2点。まず、歌が長い。特に早乙女家やガム子。話が進まないのでテンポが悪く感じました。オオカミ少年ケンは逆に長くてよかったw あとは愛が誠にあそこまで尽くす動機。ひたすら「誠さんをこんな風にしたのは私のせい!」みたいなことを言っていましたが最後まで明らかにならず。かつての誠の行為がストーリーの根本ならもっと掘り下げて欲しかった。なのでラストシーンがまったく理解できなかったです。原作読めってことなのかな? 【HIGE】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-07-02 13:55:19) |
6.ミュージカルシーンに映画を感じたのは、 大野いとの『夢は夜ひらく』と、安藤サクラの『また逢う日まで』。 動きのとれないトイレ個室内での歩調と、 大野の決して上手くない歌がシュールでいい。 雨に濡れた夜の歩道を走る安藤の躍動と笑顔、そしてそれを追う横移動のカメラがいい。 武井咲も斎藤工も、 一青窈・市村正親コンビの達者な身のこなしなどと比較してしまうと可哀相だが、 シンプルな振付と頻繁なカットつなぎにも助けられて健闘している。 そのミュージカルの少し硬い感じが逆に味となって後半のドラマに活きており、 特にこの二人がそれぞれ違うシチュエーションで土下座をして 必死に懇願するシーンではその熱演と表情が一気に輝き出して素晴らしい。 ただ、妻夫木聡のワイドショー番組的な安っぽい突っ込み台詞の数々は もう少し工夫が欲しかったところ。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-07-01 22:39:33) |
5.《ネタバレ》 原作ファンとしてはキャスティングには大満足。妻夫木はワイルドだし、武井はとにかく可愛い。岩清水役の人も凄いはまってた。あと、花園学園のやりすぎなくらい荒廃しきった様子と、昭和を感じさせるセットはとても良かった。ただ、時間の都合か原作の最後の方がカットされていたのがちょっと残念。裏番とかただの悪役で終わっちゃうし、権太のキャラ設定も中途半端な印象を受けた。ミュージカルにしたのは良いアイデアだが、やや盛り上がりに欠ける。どうせならもっと盛大に!それにしても、原作を全く知らない最近の中高生がこの映画を見たらどう思うんだろう。 【ヴレア】さん [映画館(邦画)] 6点(2012-06-30 20:19:47) |
4.《ネタバレ》 原作の連載をリアルタイムに読んでいた身からしたら「これは『愛と誠』ではなくて、ただのパロディでしかない」と思いました。最初のうちは。今やアナクロなお笑いにしか映らないであろうものを、何故わざわざ引っ張り出してきてわざわざ笑ってみせるの?っていう憤りに近い感情が強かったのが事実です。その時代を生きてきた人間にとっては自分が生きた過去に対して笑って済ませてしまえるような割り切りなんてとても持てる訳はありませんしね。ところがこの映画、そのアナクロ感覚を笑ってみせているようでありながら、徐々にキッチリ真剣に原作の持つ純愛の世界へと誘ってゆく訳です。どう見てもヘンなキャラでしかなかった筈の面々が語る愛が、いつの間にか胸に迫る感情の発露へと昇華されてゆくのです。そう、岩清水の「早乙女君、君のためなら死ねる」のセリフがお笑いから真剣な純愛へと受け手の意識が変化してゆくように。これは何というか、上手いなぁ。前半のバカ映画ノリを全編通してしまっていたとしたらボロクソに貶していたかもしれませんが、バカに見えても熱かったんだよ、っていう過程をキッチリ見せてくれたのでとても良かったなぁ、と。これを嘲笑うだけの時代になっちゃってたとしたら、それはなんだかとても悲しい事で。妙に女優が生きている映画でしたが、特に武井咲演じる早乙女愛はお笑いキャラであってももう最初から自分の中の早乙女愛の具象化という感じで最初から最後までホワホワと見つめておりました。あのお姫様カットは自分くらいの世代には直撃しますな。1972年にあのステンレスの銀色ピカピカに黄色のラインな総武線はないわぁ、真っ黄色じゃなきゃダメだわぁ、と他が70年代の雰囲気の再現に腐心していただけにそこはなんか残念な感じでしたが、安易な『グラインドハウス』からの引用だけに止まらない時代性の表現も今の日本から失われつつある熱さを感じさせて心にたぎるものがありました。昔は良かったなんていう懐古主義ではなく、実は時代を越えて愛に真剣である事の普遍性を説いた名画だったと思います。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 9点(2012-06-22 21:44:12) |
3.個人的には期待外れでした。 ミュージカルに使われる昭和の名曲の数々は、当時を知る人にとって感涙ものだと思いますが、これがフルコーラスでないにしろ、2番まできっちり歌うので、ものすごくテンポが悪く感じます。この「音楽のせいで物語が止まる」のは「モテキ」でも感じたジレンマ。 「嫌われ松子の一生」のようにミュージカルに沿って物語を語ったりはせず、数分間にわってシーンが変わることなく登場人物が歌って踊ります。 熱の入った歌唱も、ここまでくると少し胃もたれ気味です。 展開のワンパターンさも残念。 主人公の大賀誠が、とにかく暴れまくる・・・のはいいのですが、とにかく一人vs大勢の乱闘だらけ。 このせいで暴力シーンにさほど面白さを感じることができず、不良たちが現れるたびに「またか」と思ってしまいます。 しかし本作では役者の魅力が爆発していて、そこだけは大満足でした。 一番楽しかったのが、妻夫木聡のツッコミスキル。 まわり(特に武井咲)がボケボケで、このツッコミには完全に同意してしまいます。 武井さんのお嬢様も超ハマり役だし、余貴美子さんや、一青窈もすごい。 安藤サクラさんは「愛のむきだし」で大ファンになったのですが、今作でもどうかしている(褒め言葉)怪演。 そして素晴らしいのは、「岩清水」役の斉藤工さん。 まじめキャラへの没入感がハンパないです。 誠、愛だけじゃなく、彼を第3の主人公に数えてもよいくらいの存在感でした。 あと忘れちゃいけないのが、子ども店長(加藤清史郎)。彼の行動と、そのときのツラは爆笑しました(ひどすぎて)。 【ヒナタカ】さん [映画館(邦画)] 5点(2012-06-21 20:11:31) |
2.《ネタバレ》 「愛と誠」をミュージカルにすると聞くと、原作を知る人の多くは眉をひそめるんじゃなかろうか。私もその一人でした。でも、出来映えへの懐疑と同時に、未知への期待もありました。答えは後者でした。これはケッサクです。あの世の梶原先生は苦笑いかな。舞台を現代にアレンジするような無粋をせず、原作が連載された1972年に設定し、あの時代の熱気を当時の歌謡曲パワーで伝えている、という印象です。早乙女愛(=武井咲)は、天然を通り越してトンチンカンなお嬢様という扱いですが、こんなに笑えたのは久しぶりかも。「君(=早乙女愛)のためなら死ねる」岩清水クンも同様にとっても濃いキャラです。対する太賀誠(=妻夫木聡)の台詞や不良ぶりは原作の通りだけど、こちらは不思議と古さを感じない。なんだか、40年の時を隔てた男女が同じ時空を共有しているようで、その噛み合わない関係が漫才のように転がり笑いを誘います。梶原一騎が描いた70年代前半の純情は、本質は変わらずとも表現の仕方が現代とは違う。それをストレートに再現するだけではギャグに終わります。そこで用いた手法が「ミュージカル」だったのかとも思います。原作ではサブキャラだったガムコ(=安藤サクラ)が美味しい役柄に昇格していました。その代わりに高原由紀(=大野いと)が、原作を知る者には残念な見え方になっていると思います。座王権太は痩せ過ぎです(笑)。60年代~70年代前半の歌謡曲(1曲、アニメあり)は世代を選びますが、ど真ん中の私には至福の選曲でした。若者に薦めると怒る人もいそうな作品ですが、中年には自信を持ってお薦めしたい。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-06-21 17:49:10) (良:1票) |