2.《ネタバレ》 告白を失敗した同僚に対して「愛は恥じゃない」と励ます女子トークに頼もしさを感じつつも、失敗し落ち込み動揺する女性が発する言葉は「相手は妻子持ちだから」という回答に、ああなるほどなあという思い。
そして違う女子が出現してからの妻子持ちと下女と家族全員を巻き込んでしまっての泥試合。子供だからといって容赦ナシ。いやあ、スゴイですこれ。
公開時は1960年です。時系列で例えるなら、日本であれば、ガス人間第一号だとか、ハリウッド製作のものであれば、サイコやアパートの鍵貸しますなどが公開されたそんな時代。当然、モノクロでありますが、今回、鑑賞出来たものは幸いにもデジタルリマスターされたものでして、まるで見辛さがなくクリアにされた綺麗な映像でした。こんな時代の韓国白黒ムービーとは貴重ではないのでしょうか。(ムービープラスさんありがとう)
さて、その内容たるや、恐るべし。
あの状況と時の経過を良きほうに解決するのは誰の発案であろうが時既に遅しで100パーセント無理な状態なわけでありまして、それでも日々続いてゆく泥試合。この時代に放たれたヒッチコックのサイコが未だに称賛されるのものであるのならば、こちらキム・ギヨンのリアルすぎて恐ろしいこのサスペンス、こちらも今さらながらではありますが、もっと称賛されてよいほどのものではないのかとさえ思えてきます。(事情により某国大嫌いなんですが、映画の質においては、一目置かざるを得ません。しかし、まさかこんな時代の韓国映画の出来の良さに頷かされてしまおうとは思いもよりませんでした。)
ただ、残念な思いとしては、ラストのオチの部分でありまして、両者相打ちで終わったのかと思いきや、エピローグにおいて、やはりこの男は下女を見下して終わる。そう、当然のように見下して終わる。そこが余計なところでしたね まあね、そこは見なかったことにしておこう。
階段一段降りて頭ゴン、また一段降りて頭ゴン、素晴らしすぎませんか この場面。寄せの絵も素晴らしいのですが、引きの絵もスゴイ。