2.《ネタバレ》 『いそぎんちゃく』をずいぶん前に観てかなりインターバルが開いての鑑賞だけど、監督が代わったせいもあって前作と比べてかなりウェットな仕上がりとなっております。いきなり登場のブルマ姿のJK渥美マリ、いくら何でもこれはムリが過ぎるような気がします。役名は前作と同じ石田浜子だけど、ぜんぜんつながりはございません。両親が死んで農地を親戚に奪われ養家でジャマ者にされて家出して東京に出てくる、絵にかいたような不幸な昭和の女です。ガソリンスタンドの店員からインチキ占いの巫女そして有名写真家のモデルと石田浜子らしく着々と銭を貯めこみますが、高校時代のスケベPTA会長に出会って情をかけたら持ち金全部横領されてすってんてん、それでもレコード会社にスカウトされて歌手デビュー。波乱万丈といえば聞こえもいいけど、すなおにコメディタッチでサクセス・ストーリーにすればいいのに下手にカッコつけて湿っぽいシークエンスを挟むので、観てて嫌になっちゃいます。まあ渥美マリが主演じゃ、これが限界なのかもしれません。 70年は大映がまさに断末魔の苦しみを味わっていた時ですが、この年には『いそぎんちゃく』シリーズと並行して『くらげ』シリーズもリリースしていて、渥美マリはまさに大映の顔といった存在だった感じです。もうやけくそ、破れかぶれです。