1.《ネタバレ》 風俗ものとしてはそれなりの価値があるかもしれませんが、それ以外は今見るとキツイです。戦争未亡人のヒロインが、家族の生活のためにと思って旧友の誘いに乗るのですが、それによって世間の裏側に引きずり込まれるというお話。この映画での女性は徹底的に弱い。ヒロインの妹は結婚して家庭に入るのが当然だと思われている。そういう時代背景ですので、なんだかんだ言っても女性は男に従って、あげくの果てに利用されるだけされて捨てられる。その結果自殺するわけですから、なんとも暗澹たる話で、今ならいくら何でもそうはならないだろうと思いますが。ただ、最後には悪人に正義の鉄槌が下されるという結末で、ここで急に社会派風の話になります。それがテーマだったのかもしれませんが、どうも唐突でとってつけたようにしか見えません。そのあたりがちぐはぐで、さらに印象を悪くしています。