1.《ネタバレ》 時は今から2万年前、まだ氷河期時代の雪に覆われたヨーロッパ。過酷な環境の中、当時の人類はマンモスをはじめとする獣を狩ってその命を繋げていた。父とともにいつものように狩りをしていた青年ケダは、ある日、獲物からの反撃に遭い崖下へと突き落とされてしまう。目覚めてみると、荒れ果てた荒野に独りっきり。父や仲間たちは彼のことを諦め、泣く泣く家族の元へと帰ってしまったらしい。なんとしても部族の元へと帰ろうと決意するケダだったが、行く手には様々な大自然の困難が待ち受けていた。大雨、嵐、狼の群れ、猛吹雪、飢えと渇き……。そんな彼の孤独な旅路を助けてくれたのは、同じく群れからはぐれた一匹オオカミの“アルファ”だった――。文明誕生以前の古代を舞台に、青年と一匹の狼との種を越えた友情を描いたネイチャー・アドベンチャー。と言う設定を聞いてまず真っ先に思い浮かべるのは、かつてローランド・エメリッヒが撮ったネイチャーおバカ映画の迷作『紀元前一万年』でしょう。でも、主人公たちが皆流暢な英語を喋っていたあちらとは違い、本作では一応当時の言葉っぽい言語を喋っていて、まだリアリティに対する拘りが感じられました。とはいえ、本作で勝っているのはそこぐらい。仲間からはぐれた若者がただ家に帰るだけという、大して中身のない薄っぺらいお話がひたすらダラダラ続くものだから、もう最後まで眠たくって仕方ありません。映像の方も、よくあるネイチャー・ドキュメンタリーで何度も観たことあるような「あー、確かにキレイだね~。大自然マジサイコー。カレンダーにして飾っときたいわぁ」ってレベル。肝心のおおかみ君がけっこうしっかりと演技していたのでなんとか最後まで鑑賞できましたが、わざわざ時間を割いてまで観るべき内容ではありませんでした。