1.世界中の海の生き物という広いテーマで、多くの海洋生物を紹介しており、
なかでも集団で脱皮するカニ、パンチで硬いものも砕くシャコ、壺を持ち運ぶタコ、貝を割るラッコ、海底に模様を描くフグ、顔を膨らませるアザラシなどは面白かった。
しかしながら、鳴っていない時がほとんどないくらいのBGMが、前面に出過ぎているのは、大いに気になった。
どうして静かに観させてくれないんだ?ドキュメンタリーに余計な音楽は求めていない。
たまに無音の所もあるが、ここぞとばかりにスリラーのような音楽が鳴り始めると、またか…とうんざりさせられる。
こううるさくて快適に観られないのであれば、いくら映像が良くても、満額に評価する事はできない。
このような、動物ドキュメンタリーをミュージックビデオとしか思っていないかのような制作姿勢には、疑問が残る。
常に音楽が掛かっていないと気がすまないというのは、なにかの病気なのか?
波の音、動物の足音や鳴き声などの、ライブの音を聞こえなくしてまで無関係な音楽をつけるというのは、いったい何を考えているのだろうか?なぜ現場の生の音を尊重しないのか?
録音の都合でBGMをつけざるを得ないとしても、その主張が強く耳障りな選曲には、大いに問題があると言わざるを得ない。
どんな音楽も聴きたくない者にとっては不快な騒音でしかないという事を、わきまえるべきではないのか。
こんな編集が当たり前になるのなら、動物ドキュメンタリー自体がトラウマになってしまいそうだ。