1.《ネタバレ》 約30人くらいの登場人物の、三昼夜にわたる出来事を描いた作品。とだけ聞くと、どんだけごちゃごちゃするんだ、と警戒してしまいます。事実、導入部は話が飛びまくっています。ところが、それぞれの登場人物の顔が見えてくるにつれて、まるでジグソーパズルが完成していくかのように、大きな一つのつながった世界ができあがっていきます。この構築力は見事でした。あっちとこっちがここで関係している、みたいなくだりも多々登場しますが、それも設定に溺れることなく、物語の一部をなしています。その丁寧さの中に、制作者がタイトルにこめたメッセージも見えてくる仕掛けになっています。