2.《ネタバレ》 アマプラの見放題終了間際のリストで見つけて予備知識なしで鑑賞。思わず魅入ってしまいました。
舞台は近未来の地球。激しい戦争もなく?これぞ商機と見込んだ一部の階層主導の下、平和裏?にヴァ―ヴとかいうカニの変形と言うか尻顔と言うか奇妙なエイリアンの植民地と化した世界。激しい貧富の差のある人々の生活。貧しき者たちは占領前の身分や資産を失い苦難を強いられている、らしい。(特に貧困等に苦しむ姿は登場せず)
ひとことで言えば現代社会を風刺したブラックコメディですね。エイリアンが侵略・征服のことを「上陸」と呼んでいるあたりは恰もアメリカ大陸の歴史のようにも窺えるし、環境破壊を批判し大上段からあなた方を救ったのですよみたいに言うのはまさに侵略戦争の論理にも通じるように思えるし、微に入り細に入りいろいろと興味深く鑑賞できる作品でした。
結局勝利を勝ち取ったかの如き抵抗は虚しく終わり、それでも戦い続けようとする姿が描かれてエンディングを迎える訳ですが、そのあたりも今の世界を支配する力や理念等々への失望感或いはアンチテーゼが込められていると感じました。まさに「見えざる手」への畏怖と言ったところでしょうか?
カイリー・ロジャースさん演じるクロエの可愛らしさに+1点の8点献上です。