1.《ネタバレ》 すごく切ない設定のはずなのに、何か感情が炸裂しない。大事なところでも強調せずに、さっさと先に行ってしまう。過去と現在の切り替わりが異常に激しい。と、文句はいくらでもつけられるのですが、それでも見た後の感触が悪くないのは、制作側のストリップに対する愛情と敬意が、とめどなく満ちているからです。1つの芸術としての崇拝の意思すら感じます。終盤のややトリッキーな種明かしも、浮かずに上手く作用しています。そうそう、導入部では肝心なところを見せず、「ええ~」と思わせておいて、ここぞというところでばしっと見せる、という演出も、実はストリップのあり方というかテクニックそのもので、このように描写の対象と手法が一致している作品には、やはり根っこのところで好感が持てます。●あと、細かいところでは、レディオヘッドが実はストリップに合っている、という慧眼的発見についても讃えておきたい。