3.《ネタバレ》 ただの実験作。
長く生きていれば誰の人生にだって、親しい人との別れとか、子供の誕生だとか、映画にするほどではないけれど、個人的にはとても重要で心を動かされる場面はあるはず。そりゃもちろん私にも、これを読んでいるあなたにも。この映画で描かれている全てのエピソードは、その範疇のもの。
全く動かない画面は、ラストの一場面を少しだけ感動的に盛り上げるための「しかけ」でしかありません。この「しかけ」がなかったら、ごくごく平凡な人の平凡な人生をただ眺めているだけのもので、とても映画としてみせられるようなものではなかったと思います。
ネイティブアメリカン、フランクリンの子供、リクライニングシートの発明家、パイロットの家族、黒人さん家族、とアメリカ大陸の様々な家族の逸話がランダムに挟まれますが、これらも特に関連するわけでもなく、効果があったとは思えません。
キャストと演出の感じからして、フォレスト・ガンプの姉妹作のような感じではありますが、これが着地点だとは残念。これがロバート・ゼメキスのフィルモグラフィーの打ち止めになってしまうかと、余計な心配をしてしまいます。