25.《ネタバレ》 一縷の望みを断ちきられて慟哭する姿。空港で啖呵をきって憤怒する姿。普段は見せない息子を愛する思いが溢れ出る父親をジャック・レモンが好演。実話なので脚色しようがないのでしょうが、ひりつく緊迫感の無い間延びした展開が残念。自国民に対しての非道の数々、それを画策したアメリカ合衆国。後味悪いことこの上ない。「責任者出てこい!」 |
24.《ネタバレ》 ○さすが、社会派コスタ=カヴラス。こういう路線は彼の得意ゾーン。○どこが舞台化もどんな設定かも観客に説明せずに放り込む。ジャック・レモン登場で少しずつ明らかにされていくが、まるでクーデターに巻き込まれた様。○一見やりきれないラストだが、ジャック・レモンの鋭い目つきとセリフに力強い姿勢を感じた。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-10-13 21:11:19) |
23.戒厳令下の街を撮らせると、この監督の右に出るものはない。兵士のいる風景の凶々しさ。あの臨場感だけでまいってしまう。移動した末に兵士たちが見えてくるという図がいいんだ。「人民のための軍隊」など決してあり得ないことを知っている者の視線。戒厳令下の夜、白い馬がジープに追われて走っているシーンの美しさといったらない。字で書くといかにも象徴という感じだけど、白い馬=自由という図式を経て頭に来るのではなく、即、胸にジーンと来る。それまでの息苦しさや重圧感が、観ている者にしみ込んでいるから、あの馬の跳躍に憧れを感じ、ガンバレヨと声援を送りたくなるのだろう。理想肌だがお坊ちゃんの息子と、保守だが自信のある父に、アメリカの二面を代表させ、こちらはちょっと図式的だったか。『Z』以下の三部作に比べると集中力はやや劣るも、社会派でも面白い映画は面白いんだ、ということを周知させた監督だった。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-09-07 09:49:02) |
22.重くなりすぎず、政治的メッセージを伝えてくる作品。序盤に人間関係や舞台が明らかにされないのも、先が気になる作りだと感じた。 |
21.とりあえずJ・レモンが出てくる中盤前あたりまで、ずっとイライラします。ストーリーどころか状況がまったくわからないから。まず舞台がどこなのかさえわからない(チリだとわかるのはずっと後)。街中に軍隊が繰り出しているのも、戦争なのか、内戦なのか、テロ警戒なのか不明。ついでに、息子と2人の女性の関係性もわからない(妻と単なる友人とわかるのはずっと後)。 で、さすがにJ・レモンが出てきてやっとストーリーも落ち着きますが、この話、どうなんでしょうねえ。ひと言でいえば、よくある「陰謀史観」です。「これが真実だ」と言われればそれまでですが、どうも見方が偏っている感が否めません。なんか共産党か社民党あたりの偏屈なプロパガンダ映像を見せられているようで、個人的には好きではない。ただし、音楽がヴァンゲリスであり、よくテレビのBGM等で使われるあの曲がこの映画のエンディングテーマだったことはちょっと驚き。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-12-16 03:19:15) |
20.《ネタバレ》 予備知識なく見始めて、普段ならあまり見ない類の作品なのになんとなく最後まで見てしまった。そういう意味では面白かったのかな・・・?でも、これが作られた当時はどうかわからないけれど、今、見る限りは、なんら驚きもないし、それほど社会的意味のある作品とは思えない。ただ、クーデターが進行しているまさにその時でも庶民は日常を営み、意外と呑気にしているところがリアルでちょっと恐い感じがした。 【フラミンゴ】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-11-09 21:07:42) |
19.《ネタバレ》 軍事政権がクーデターで国家を牛耳ると街はこうなる、との描写がリアルで凄い。食事中に突如響く銃声、爆音。日常に突然暴力的に入り込む軍人たち。衆人の前で服を切り刻まれる屈辱。そんな中「やめろ!」とキレるJ・レモン。「この状況が耐えられなかった」と。これが人間の台詞でしょう。話の骨格は国家VS普通の人間。国益の前に顧みられることのない個人。シシーとジャックが等身大の「普通の」人を見事に演じているので、彼らの身を切るような痛みがひとごとでなく感じられる。J・レモンの背中をさすりたくなる。義父と嫁の関係というのは微妙で難しいと思うのだけど、この二人が醸す距離感は本当にうまくて唸る。そもそも国だって個人の集まりなのに、国家を標榜すると何故こんなことになるのだろう。役人のもたらす情報のその場しのぎなこと。誠実のせの字もない。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-07 23:32:02) (良:1票) |
18.突然ですが、わたしゃ“心霊写真”なるものが大嫌いでして、まあ信じないのは当然としても、あのアホらしさというものには、どうにもこうにも我慢できない。死者の怨霊が、カメラとみりゃ「ねえ写して写して」って割り込んでくるってか。コワいでしょ、ってか。アホ過ぎる。超自然の存在であるべきユーレイたるものが、そんなにミーハーで、そんなにワカリやすくって、そんなに陳腐で、どうすんのよ。と、まあ関係ない話題から始めたのも要するに、この映画のコワさ、キモチ悪さ、といったものが、一味も二味も違うからでして。自分は今、一体どういう状況に置かれているのか。尋常ならざる状況であることだけは判るのだけど。間欠的に発砲される銃の音。川を流れてくる死体。さらには、何故か道を走る馬。床に無造作に並べられた無数の死体に圧倒され、ふと上を見上げるとそこにも死体が累々と横たわっている、という不気味さ。個人では太刀打ちできない何か巨大な存在が、チラチラと横顔を見せつつも、はっきりと正体を現さず、ただ辺りを取り囲んでいる。で、この状況に置かれた、二人の主人公、すなわち、拉致され行方不明となった男の、妻と父は、あくまで“日常的”な存在。二人の交流なり衝突なり、といったものが描かれるとき、彼らはあくまで、我々と同じ普通の日常人でしかないことを感じさせるのだけど、その彼らが、夫を、息子を捜しだすという“信念”によって、状況に立ち向かっていく姿、そこに感動を覚えずには居られません。いやまあ、「実話モノ」に弱いってのもあるんですけど・・・(今回はイヴ・モンタンではなく)ジャック・レモンとシシー・スペイセクという配役の上手さもありますね。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-19 23:20:18) |
【ホットチョコレート】さん [地上波(字幕)] 6点(2011-05-19 23:33:56) |
16.チリのクーデター時代以降、あまりにいろいろのことがありすぎて、導入部の「事実に基づく」との丁寧すぎる注釈が逆にあざとく感じてしまう。アメリカ政府自体、ある面開き直っている現代では「別にこの程度ならあっても不思議ではない」と写ってしまう麻痺は恐ろしい。 |
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15.軍事クーデターの恐ろしさが如実にわかる映画。実話を元にしているだけに説得力があり、チリのクーデターの背景を知ることができた。父と嫁の対立から理解合えるまでの過程がよく描かれていると思う。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-01-23 21:29:57) |
14.《ネタバレ》 軍事クーデターが起きているチリで失踪した夫/息子を探す物語だが、最後に再びの再会を果たしてハッピーエンドというような展開を考えているとガツンとやられる。 ■山場はラスト付近、チャーリーが死んだことを知った後の、白々しいアメリカ側とのやりとりではなかろうか。結局のところアメリカはチリ政府に処刑のGOを出し、見殺しにする。それを悪びれることもなく堂々と認めている。空港での「アメリカは許さないぞ」とのセリフもむなしく、最後のテロップで告訴却下の旨が観客には知らされる。 ■しかし、展開としては前半は時系列がなぜかねじれていて見づらく、ラストまでは別段情報が増えることもなく淡々と聞き込みを繰り返すだけという平板な展開なのはあまり頂けない。時系列をひねったのは「始まったときにはすでに終わっていた(処刑されていた)」という風にしたかったのかもしれないが、余計な演出の印象。平板なのは実話だから仕方がない面もあるが、同監督で同じく実話ベースの「Z」の緊迫感と比べても、本作の単調さは否めない。いい題材なだけに残念。 【θ】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-12-29 23:43:14) |
13.《ネタバレ》 一人のアメリカ人男性の父と妻が彼の南米チリでの失踪の真相を追究した果てに見せつけられたアメリカの持つ恐ろしい側面。そして何ともやりきれない結末に終わり、何度でも観たいと思う映画ではないですが、この映画のジャック・レモンとシシー・スペイセクの2人の素晴らしい演技を観ることが出来てよかったと思います。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-05-20 00:37:52) |
12.『Z』『戒厳令』『告白』といった、コスタ=ガヴラス初期作品に比べると、かなり手ぬるい内容で、満足とまではいかなかった。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-12-27 21:12:30) |
11.《ネタバレ》 ジャック・レモンのシリアスな名演技が光る、見応えのある社会派ドラマでした。 クーデターを成功させたチリ軍事独裁政権による残虐行為や国益のためには自国民の犠牲も厭わないアメリカの本音の姿をまざまざと我々に提示しています。 【TM】さん [DVD(吹替)] 8点(2008-06-23 18:44:47) (良:1票) |
10.重いです...今の僕には、考えることも受け止めることもできず、ただストーリーを理解することで精一杯でした...街中に無造作に死体が転がっていてそれに反応もしない市民たちがとても印象的でした。もっと勉強して観なおします。評価は何ともいえないという事でこの点数で。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-03-07 00:10:43) |
9.どういう社会情勢だったのか分からんために何をごちゃごちゃやってるのやらさっぱり。もう少し勉強してからじゃないと楽しめないのかもしれない。 【ぷりんぐるしゅ】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2005-04-24 05:29:51) |
8.街中に「何気なく」転がっている死体や、その辺を歩いているだけでもいつでも尋問・連行される光景など、軍事力が政治と結びついたときの恐怖を、この作品はまざまざと提示しています。また、アメリカの中南米に対する一連の侵略・クーデター支援の1つを分かりやすく記録化したという点でも、この作品は重要です。映画としては、前半で時系列が分かりにくかったり、後半が普通の捜索話になってしまい、家族としての焦燥感や絶望感が表現されていなかったりなど不満もあるのですが、この作品の意味するところは、我々は十分に認識しておくべきです。ジャック・レモンとシシー・スペイセクのがっちり組み合った演技勝負も素晴らしい。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 8点(2004-09-06 02:59:55) |
7.渋い社会派ドラマ。戒厳令という存在そのものが不気味でいい感じ。しかし政治が介入してくるドラマというのは、個人の力ではどうにもならないだけに何とも言えないやり切れなさが残ります。 【ラーション】さん 7点(2004-04-14 01:16:02) |
6.スティングの「ダンスアローン」とゆう歌の意味がこの映画観るとわかる。別の監督の「戒厳令下チリ潜入記」とゆう映画もすごかったです。本はもっとすごかったです。 【きなこ餅】さん 8点(2003-11-06 23:10:52) |