2.ロッテルダム国際映画祭でグランプリ、そして東京フィルメックスでもグランプリを受賞した、アジア色が色濃く香るロマンスムービー。
まるでウォン・カーウァイ作品の様に、夢とも現実ともつかない映像の連続。
澄みきった映像美というより、温かみのあるムーディな映像美だ。
話としては特別大したことはないのだが、ムードと映像美で十分魅せる作品である。
日本だと、こういう作品は創れないだろうなぁ。
蘇州は行ったことがあるので、更に楽しむことができた。
金髪のカツラをかぶった人魚は、神秘的なまでに美しく、それを追いかけ続けた男は、夢遊病にかかったかのように心虚ろだ。
ただ、本作がウォン・カーウァイ作品に一歩及ばないところは、音楽の使い方だろう。
ムードを盛り立てる音楽が効果的に使われていたならば、アジアを代表する、心に残る傑作となったに違いない。