1.カッツィシリーズ3部作の最後の作品。前2作と大きく違うところは、今作は新しくデジタル・テクノロジーを駆使して作られた能動的映像であるということ。この作品には一貫して「テクノロジー」というテーマがあり、その表現としてこの新しい技術が存分に使われている。イメージのモチーフがあって、そのイメージに沿って様々な映像がエフェクトで一体化されて一貫性を持つ。そのイメージのモチーフが複数つながって、さらに大きなモチーフになる。台詞がない分、その構成は実に音楽的である。フィリップ・グラスの音楽と合致して、このシリーズ独特の世界観を作り出している。ミクロコスモスとマクロコスモスを行き来する、人類の総体的視点。唯一無二の視覚的体験に7点。